2025年7月15日火曜日

荷風の昭和 後篇

7.13 本日はみずのわ出版・柳原一徳社主のトーク。先週別の会場で3時間話したそうだが、ここでは時間制限あり。当然著者=私への叱言・悪口・恨み節炸裂と思われたが、かなり抑えて語ってくれた。彼が大変な知力・労力・時間を負担してくれたことは間違いない。ギャラリー島田社長と彼に深く感謝する。会場では、拙著登場の詩人とその兄それぞれのお孫さんが対面。ン十年ぶりの再会で、お話盛り上がっていた。

7.14 職場の先輩が20日トーク会に参加希望。仕事仲間には知らせていないけれど、この方は本好きで私の経歴もご存知。

 

 川本三郎 『荷風の昭和 《後篇》 偏奇館焼亡から最期の日まで』 新潮選書 2600円+税



 空襲で永井荷風は自宅・偏奇館と蔵書を失う。中野区、明石、岡山……、避難先・疎開先でも空襲に悩まされる。友人や地元の人たちが支えてくれる。戦後、熱海から市川に居を移す。高齢者・荷風には戦災のトラウマか、奇人・変人の行動が現われ、親戚や友人が離れてしまう。孤高の高齢者生活ながら、経済的には裕福。世話してくれる人たちもいる。戦中体制に協力しなかった荷風には作家の仕事が殺到する。権威を嫌い、占領下の民主主義にも距離を置き、市井の男女の愛情物語を書き続ける。浅草の踊子や芸人との交友を楽しむ。1959(昭和34)年430日、家の手伝いに来てくれていた福田とよが荷風が亡くなっているのを発見。死因は胃潰瘍による吐血のために窒息死、本名壮吉。

 荷風の日記・著作を繙き、彼の生涯と文学、時代、東京の風景、風俗、文化を解説。

 荷風の作品が好色とされ、荷風自身も女性好きとされるが、あまりに表面的な見方。

〈荷風は確かに女性を愛した。それは好色というのとは少し違う。女性の持つたおやかさ、美しさの文化をこそ愛した。それは軍人に代表される猛々しく、武張った権力の対極にあるものだった。/軍国主義の時代が息苦しくなるなかで、荷風が玉の井の娼婦や浅草の踊子たち、あるいは戦後の浅草のストリッパーたちと交流したことは、柔らかで優しい女性文化への愛情から生まれたものといっていい。生涯、女性たちを愛し続けた荷風は、軍人たちの武に対し、女性たちの美にこそオマージュを捧げた作家だった。(後略)〉

(平野)

 

2025年7月12日土曜日

神戸元町ジャーナル その6

7.7 昨日のトーク会でのこと書き忘れ。うさこちゃん、友人たちから差し入れたくさんいただきました。感謝感謝。日時間違えて欠席の不届き者から詫びメール。



 朝、新聞社の取材、花森書林にて。ありがとうございます。

 平日はお客さん少ない。暑いし。それでも通りがかりの方が数名入ってこられた。

7.8 今回の出版実現の恩人とお会いする。猛暑なのに杖を突き突き来廊くださった。御礼。

今日も花森で取材を受ける。ネットニュースの記者さん。暑い中、本日3件目の取材だそう。無理やり、ギャラリー島田も、と頼んだところ、なんと店主と一緒に坂を上って来てくださった。ギャラリースタッフも大喜び。仕事が早い人。海洋画家夫妻、古本の強者もご来場。ありがとう。

              

7.10 元町商店街事務局寄って、知人の店や事務所を回って、ギャラリー島田。途中セ~ラ編集長に会う。後から坂を登って来てくれる。

7.11 職場会議で、マンション早退。みんな猛暑に降参気味。倒れないようにしましょ。

先日取材受けたネットニュース、アップされました。ありがとうございます。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ed683de960e4981893df4b7ee36dc337c717613c

 

 出版協力者に少しずつ謹呈本を送っている。到着・お祝いメッセージ届く。

孫からも祝いのボイスメール。




(平野)

2025年7月7日月曜日

神戸元町ジャーナル その5

 7.6 〈出版記念展 『神戸元町ジャーナル』とその周辺〉

ギャラリー島田 75日(土)~715日(火) 9日休み

 14時からお隣の会場〈武内ヒロクニ展 俺の魂のハートのクィーンを!〉でイベント。

「異端の画家」と呼ばれるロックなアーティスト(もうすぐ88歳)のトーク会。会場に坐っておられるだけで絵になるし、来場者納得する。元書店員ヂヂイには叶わぬ存在感、生き様。

 続いて16時からヂヂイのトーク。猛暑の中、みんな倒れずに来てくれました。友人夫妻、飲み仲間、海文堂のお客さん、図書館員さん、それから武内トークから続いて参加の方も聴いてくださった。書容設計・通称「ブッダハンド」氏も駆けつけてくださった。ギャラリースタッフ・山さんのリードで話したけれど、レジュメに書いていたことの半分くらい話し忘れている。労働争議の写真人物のことや人口増大の食と住の問題起源など。

 福岡アリスが〈うみねこ堂書林〉イベントの宣伝物持ってきてくれました。感謝。


 ヂヂイ三人が元町のこと、作家と海文堂のことをしゃべります。たぶん脱線すると思います。

(平野)

 

2025年7月6日日曜日

神戸元町ジャーナル その4

7.5〈出版記念展 『神戸元町ジャーナル』とその周辺〉開幕

ギャラリー島田 75日(土)~715日(火) 9日休み

本日16時より平野トーク会です。暑いですが、よろしくです。

 






 花森書林イベントの案内DM完成。

出版記念展 『神戸元町ジャーナル――通り過ぎた人々、喪われた街』(みずのわ出版)  717日(木)~28日(月) 2223日定休日

海文堂書店の資料・記録を中心に構成。



https://hanamorishorin.com/

(平野)

 

2025年7月4日金曜日

神戸元町ジャーナル その3

7.1 午前中、花森書林イベントについて新聞社の取材。一旦帰宅して、晩ご飯の準備。午後はギャラリー島田でトーク会の打ち合わせ。夜、福岡アリス酔っ払い電話、イベントとその後の飲み会相談。皆さんの応援ありがたく。

7.4 本到着。立派な本になりました。





表紙写真 「相尅」安井仲治 1932/2004(名古屋市美術館)

書容設計:扉野良人

みずのわ出版Webサイトをご覧ください。

https://mizunowa.com/pub/862/

 

明日7.5(土)より〈出版記念展 『神戸元町ジャーナル』とその周辺〉開催。

ギャラリー島田にて。

https://gallery-shimada.com/cn1/2025-06-192.html

(平野)

2025年6月29日日曜日

荷風の昭和 前篇

6.22 テレビニュース番組のスポーツコーナー中、速報。アメリカ合衆国大統領がイラン核施設攻撃公表。自国の軍隊を讃美し、「今こそ平和のときだ!」とは。狂気!

「朝日歌壇・俳壇」より。

〈広辞苑次期改訂で載るだろうミスターの項に長嶋茂雄と (つくば市)小林浦波〉

〈ほんじつも館内まはり一万歩達成したり司書とふ仕事 (長門市)松岡加恵〉

〈父の日や仕舞ひしままの資本論 (大和市)岩下正文〉

垂水と板宿の懇意の本屋さんに営業。万が一客注あがればよろしく、と。

6.24 孫電話。妹、最近はウインクが得意。右を瞑るのだが、口ひん曲げて歯をむき出す。お笑い系。姉は読書集中、ときどき顔出し。こちらは乳歯生え変わりで、あっちこっち歯なし。

6.26 これまでのところ古本屋さんが積極的に注文くださり、イベントも考えてくださっていた。新刊本屋さんからも注文いただき、感謝です。協力なんでもします。裸踊りはできませんが、一曲歌うくらいなら、やります。

6.28 古本屋さんが宣伝DM作ってくださる。出来上がりが楽しみ。

 

 川本三郎 『荷風の昭和《前篇》 関東大震災から日米開戦まで』 新潮選書 2600円+税



 作家・永井荷風(18791959年)は肉親と離れ、家庭は持たず、職に就かず、文壇から距離を置き、世捨て人のように生きた。気の合う友と語らい、日陰の女性たちを愛した。日記「断腸亭日乗」に日常を丹念に記録した。関東大震災からの復興、テロ・軍部の横暴、カフェや遊郭の女性たちとの交際。書物を愛し、世の中の動きに目を配り、街を歩き東京の移り変わり、市井の人たちの暮らしを書き記した。自由な生活と創作に戦争が忍び寄ってくる。

 昭和16116日の記述。

「風なく晴れてあたゝかなり。炭もガスも乏しければ湯婆子(ゆたんぽ)を抱き寝床の中に一日をおくりぬ。(中略、物資窮乏、以前は外食だったが自炊)始はもの好きにてなせし事なれど去年の秋ごろより軍人政府の専横一層甚しく世の中遂に一変せし今日になりて見れば、むさくるしく又不便なる自炊の生活その折々の感慨に適応し今はなかなか改めがたきまで嬉しき心地のせらるゝ事多くなり行けり」

 それなりに楽しんではいる。

(平野)

2025年6月21日土曜日

神戸元町ジャーナル その2

拙著、印刷開始。

表紙の写真。安井仲治「相尅」 1932/2004(名古屋市立美術館蔵)

 


『神戸元町ジャーナル 通り過ぎた人々、喪われた街
Motomachi  Journal, KOBE
- Those who Passed by, the City That was Lost -
 』
2025年(明治158/ 大正114/ 昭和100/ 戦後80年)
7
25 初版第一刷発行
本文執筆:平野義昌
写真構成・年譜執筆・索引編輯・校閲:柳原一德
挿画:林 哲夫
表題英訳:菊地利奈
書容設計:扉野良人
出版助成:公益財団法人 神戸文化支援基金
発行者:柳原一德
発行所:みずのわ出版
 〒742-2806
 山口県大島郡周防大島町西安下庄 庄北2845
 TEL/FAX
0820-77-1739
 mailmizunowa@osk2.3web.ne.jp
 URLhttps://mizunowa.com/
印刷:株式会社 山田写真製版所
組版・DTP:井村絵里子・薮中美智代
制作管理:石坂隆行
プリンティングディレクション:黒田典孝
製本:株式会社 渋谷文泉閣
平野義昌・柳原一德, 2025
ISBN978-4-86426-054-1 C0095
JASRAC
2502302-501
日本製

 

イベントも決定。まず、ギャラリー島田にて。

『神戸元町ジャーナル』とその周辺

75日(土)~15日(火) *9日(水)休廊


 

(平野)