11.26 職場の部屋で使っていたモノが見つからない。出勤してカバンから出して使った。カバンに戻した、と思う。でも、ない。机の上やら椅子の下やら抽き出しやら、ない。どっか見落としているのだろう。次の出勤日にもう一度探すことにする。ボケている。
11.28 紛失物はヂヂイの足元から見つかる。なんでこれが目に入らなかったのか、やっぱりボケている。
11.29 家人と映画、「TOKYOタクシー」。孤独な高齢女性が過ごした一日。
『精選日本随筆選集 孤独』 宮崎智之編 ちくま文庫 1000円+税
編者は1982年生まれ、文芸批評家。随筆は、常に身近にあるもの、間違いなく文学であり、随筆によって蒙を啓かれ、読書の深みへとはまってきた、と語る。「孤独」をテーマにしたのは、「随筆の趣を感じてもらうだいいちの入口として適したテーマ」と思うから。
寺山修司 「何しろ、おれの故郷は汽車の中だからな」
吉田健一は少年時代を海外で過ごした。フランスの田舎町でベルギー人に青年出会った。のちに彼は第一次世界大戦の戦争孤児だったと聞かされる。
川端康成「末期の眼」。なぜ芥川龍之介は死ぬことばかり考えつづけ、「或旧友へ送る手記」=遺書を書いたのか?
大庭みな子はその川端の自死について、
〈……川端さんは随分昔から「死」のことをずっと考えてらして、忙しい毎日の中で、空いていたその時間に、またふっと「死」のことを思い出されたのだと、いうふうに思いました。〉
幸田文、遠藤周作、小林秀雄、内田百閒、坂口安吾、森茉莉、正宗白鳥……が綴る「孤独」。
(平野)