2026年6月27日土曜日

空飛ぶ馬

6.21 娘から「父の日」祝い着。ヂヂイ「恥痴の日」。

6.22 会社の全管理人が集まる研修会。6070代が約150名、日々真面目に業務に励んでいる、はず。会場に向かう途中、男性から道を尋ねられる。「若い人より年配の人に訊ねた方が、と思って」とおっしゃる。同僚と判明して一緒に行く。

6.23 本屋さんで取り寄せ依頼。あとから確認の電話あり。担当さんは珍しいお名前。そう言えば、お店では皆さんの名札は店名のみで個人名記載しなくなっている。

6.24 仕事先マンションのお部屋ベランダに蜂の巣(私の拳の半分くらい)あり、会社と居住者の了承を得て駆除。管理人の仕事は共用部分だけだから手続き必要。

6.25 朝、東北で地震。台風も接近中。災害列島の宿命。今日は会社の健康診断。

 読んでいる本に、〈陰暦五月の梅雨の晴れ間、言葉本来の意味での皐月晴れの日であった。〉の一文。本を閉じて外に出て、空を見上げて、晴れならぴったりなのだけれど、梅雨真っ最中ゆえ、そうはいかない。

北村薫『空飛ぶ馬』(創元推理文庫、19944月初版、7717版)。



〈水無月のころ、円紫さんとの出逢い――ショートカットのは十九歳〉(帯より)

 ミステリー小説だが、殺人や凶悪事件は起きない。女子大学生が日常生活で持った疑問や謎、偶然関わってしまった事件の裏側などを、洞察力優れた落語家・春桜亭円紫(しゅんおうてい・えんし)の助言を得て解いていく。落語家は教授の紹介で知り合った国文科の先輩。

6.26 サッカーワールドカップは我が国でもお祭り騒ぎ。強豪チームになったということか。今日午前中のゲームは決勝トーナメント進出がかかる。ヂヂイは帰宅して、夕刊で引き分け、進出決定を知る。

(平野)

2026年6月21日日曜日

神風連とその時代

6.14 「朝日歌壇・俳壇」より。

〈本屋みな消えて跡地に居酒屋とパチンコ店の駅前通り 〈鎌倉市〉遠藤千草〉

〈緑陰や尻ポケットに文庫本 (印西市)伊藤博康〉

6.15 BIG ISSUE529、特集〈社会運動って何?〉。実践者たちの言葉。「自分たちが幸せに暮らすための一つの手段」。「当たり前への反逆の実践」。「社会の死角を可視化する」。表紙とインタビューはイギリスのシンガーソングライター「Raye(レイ)」。



6.18 7月家族東京行き。ヂヂイは特に用事なく、荷物持ち。

6.20 梅雨の晴れ間が続いていたけれど、今日は朝から雨。孫に宅配便送って、ギャラリー島田DM作業。スタッフさんが展示中の作家さん(神戸出身)に紹介してくださる。

 

渡辺京二 『神風連とその時代』 中公文庫 1200円+税



 初版は1977年葦書房より。2006年洋泉社MC新書、2011年洋泉社新書y

「神風連(しんぷうれん)の乱」は1876年(明治9)の士族反乱。74年(明治7)の佐賀の乱から、76年秋月の乱・萩の乱、77年(明治10)西南戦争へと続く。神風連が他の乱と異なる点は、参加者約170名のうち死刑・獄中死を含めて7割の人が死亡ということ。渡辺は「時代を否認するものの一種の集団自決であった何よりの証拠」と断言する。

「神風連」は世間による「戯称」。正しくは「熊本敬神党」。「国家統治原理としての古代神道を純粋な形で復元し、その復活をもって幕末の危機を克服しようとしたところに思想の中核を見ることができる」。尊王攘夷を理念とするが、武力闘争とは一線を画し、リーダー林櫻園(はやし・おうえん)の「神事は本なり、人事は末なり」=神事専念の教えを守った。櫻園による宗教的秘密結社と言える。師亡きあと、門弟たちがなぜ命を懸けて明治新政府に対して乱を起こしたのか? 熊本士族の動向、櫻園の思想、後継者たちの人物像、敬神党の思想的意義を資料から読み解く。

(平野)

2026年6月13日土曜日

きみがなきあと

6.6 栄町通〈1003〉にてトーク会。

〈街に「本のある場所」が必要な理由〉 南陀楼綾繁×井上理津子

南陀楼さん『本のある場所を訪ねて』(教育評論社)、井上さん『本屋百景 独立系書店をめぐりめぐる』(日刊現代、講談社)発刊記念。南陀楼さんは書店、出版社、図書館、ブックイベントなど本のある場所を訪ね、地域の人たちを取材。井上さんは首都圏を中心に独立系書店102店を取材。おふたりの本との関わり、書店と地域それぞれの特色などを話してくださった。会場〈1003〉店主の古書・新刊の選書や多様なZINE展開に驚いておられる。海文堂のことにも触れてくださり、参加者のなかに児童書のお客さんがいらしてご挨拶できた。

6.7 「朝日歌壇」より。

〈未読の本七冊かさねてうれしさは更級日記の少女におなじ (仙台市)坂本捷子〉

〈映画館銭湯書店なくなりてただ住むだけの町となりたり (観音寺市)篠原俊則〉

BIG ISSUE528。特集〈“紙とデジタル”を使い分ける〉。表紙とインタビューは岡本多緒、カンヌ国際映画祭女優賞受賞。



6.9 元町の八百屋さん開店までの時間調整で覗いた古本屋さん2軒で探していた文庫3冊見つける。ヂヂイの小さな幸せ。

6.11 野球観戦、燕組対猛牛組、京セラドーム大阪。セパ交流戦、燕苦戦中。本日も敗けて七連敗。

 

木内昇 『きみがなきあと』 講談社 2400円+税



 幕末、実在の歌人・尼さん「野村望東尼(ぼうとうに、もとに。野村もと)。高杉晋作が死の迫るなか書きかけていた和歌「面白きこともなき世を面白く」に、「棲みなすものは心なりけり」とつけた。

 モトは和歌の同門である筑前福岡藩士・野村新三郎の後妻に入る。仲睦まじい夫婦だったが、夫病死。モトは50半ばにして出家。静かに余生を送るつもりだった。夫の和歌をまとめるため大坂に師匠を訪ね、京にも足を伸ばす。商家の手代・徳次郎に尊王攘夷の社会情勢を教えられ、勤王の公家老女に刺激を受け、元藩士の勤王派・平野国臣と知り合う。帰郷後、藩内の勤王派を支援し、徳次郎からの最新情報を伝えるなど、彼らから慕われた。長州の高杉を匿ったこともある。政変、武力衝突、各藩も勤王・佐幕が揺れ動き粛清や内ゲバが繰り返される。藩でも平野はじめ多くの若者の血が流れた。ついにモトと家督を継いだ孫までも捕らえられる。高杉の指示によりモトは流刑地から救い出され、長州に保護される。

高杉は病床にあった。モトは彼の正妻と愛人それぞれを宥め、励ましつつ、彼とも語り合う。高杉は、モトとは「人と人」との関係、これは「おなごに贈る最上の褒め言葉」と言う。

〈――そうかもしれぬな。/モトは素直に高杉の言葉を受け取る。高杉だけは初手から、こちらをおなごだからと軽んじるでもなく、面倒見がよく温かな母のごとき役割を押し付けるでもなく、同じ目の高さで話のできる同志として接してくれていたのだ。〉

 書名はモトが夫を思う和歌、「きみがなきあとよりかれし秋草は生かへりきて花さへぞさく」から。

家族を思いつつ、封建制度のもと激動の世に自らの意思で飛び込んだ女性の物語。作品中、「平野」「平野」と出てくるので、モトさんに呼ばれているみたい。

(平野)

2026年6月4日木曜日

街に「本のある場所」が必要な理由

5.30 お笑いで、おばちゃんが座席の狭いスペースに強引に体を入れ込んで、というのがあったけれど、最近はあんまり聞かない。ヂヂイそれを体験。大阪梅田に向かう電車内でのこと。今どきの座席は一人分ずつ凹凸つけて余裕持って座れるようになっている。5人掛けのところ2人座ってあと3人分。そこに体格の良い3人が座ってきた。逞しいというより、デッカイ! どう見ても3人は無理。でもね、最後の人がヂヂイの隣の隙間数十センチに入ってきた。細いヂヂイは精一杯身体を縮めて手すりにしがみついてデッカイ人と密着のまま約30分。

 梅田で落語「桂吉弥独演会」。上方落語協会会長選挙や師匠吉朝の思い出話、時事ネタのマクラ楽しく。演目は、新作「AIしてる」、「狐芝居」(小佐田定雄作)、「帯久」。

5.31 「朝日歌壇」より。

〈古本屋が酒の安売り店になりビール日本酒洋酒が揃う (狭山市)奥薗道昭〉

〈連休は時空を超えて旅をした地元の本屋とミニシアターで (名古屋市)百々奈美〉

6.1 全国を取材し、ブックイベントを手掛ける編集者アヤさんから神戸でのイベントお誘いあり。全国の書店ルポを出版したライターさんとご一緒。福岡アリスを誘ったら、地元の変人クラブ寄り合いと重なる。アヤさんとは久しぶり、ライターさんとは10数年前にお会いしたことがある。1003(神戸市中央区栄町通1丁目 東方ビル)にて。

〈街に「本のある場所」が必要な理由〉 南陀楼綾繁×井上理津子 

66日 18時  参加費 1500

https://www.instagram.com/p/DYbg4oWgTex/


 山尾悠子 『歪み真珠』 ちくま文庫 2019

2010年初版、国書刊行会刊。幻想小説掌篇15作。

 蛙の王、荒れ野の美神(ヴィーナス)、人魚、美貌の双子、冬眠者と首、纏足、龍、腸詰宇宙、大理石の糞……。書名の「歪み真珠」とは、「バロック」の語源。天然真珠の「歪み」=偶然が複雑に入り混じった自然美。

〈……「バロック」という美学的名称の原義とされることばだが〉本書作品は、豪華絢爛、荘厳、威風堂々というより、〈……より優美に、たおやかに洗練させた風情であり、細部に瀟洒なロカイユ文様のふちどりを凝らした、さしずめ王室晩餐用の贅沢な小菓子(プティ―・ガトー)然とした、気負いのない、すぐれてノンシャランな拵えで僕たち読者を魅惑する〉(解説・諏訪哲史)。

(平野)