5.9~11 東京。孫(妹)の誕生日パーチーで家族集まる。親戚大学生さきちゃんも来てくれる。野球観戦(燕対巨人)、美術館、墓参り、森鷗外記念館を駆け足で廻る。本屋さんは銀座の教文館を覗いただけ。秋にゆっくり来よう。失敗やらかす、眼鏡紛失。
5.13 午前中臨時出勤。夜は埼玉イベント岩さんと海文堂仲間4名とで会食。岩さんは関西万博行くと言い(招待券もらったそう)、海文堂組は全員「絶対行かない」、で元町の夜は更けゆく。
5.15 前前夜の会でコバさんがグループLINE作ってくれる。岩さんが万博会場写真を次々送ってくる。お腹いっぱいゆえ、「もういいですよ」と返信。
5.16 孫電話。姉は今場所の相撲は興味なさそう。手芸やらピアノやら忙しい。妹は暴れん坊で、食卓の上に乗って踊るらしい。
■ 車谷長吉 『癲狂院日乗』 新書館 2600円+税
車谷長吉(1945~2015年)兵庫県飾磨市(現・姫路市)生まれ。私小説で数々の文学賞受賞。2010年に直木賞。本書は『赤目四十八瀧心中未遂』が直木賞候補になる頃から始まる約1年間の日記。夫人・高橋順子の回想、
〈直木賞候補。焦慮。念願の受賞。その直後の出版社・新聞社・テレビ局からの原稿・出演依頼に圧倒されるも、ほとんどの求めに応じ、疲労困憊。並行して持病の強迫神経症治療のための病院通い。受賞して大金が入ったので、中古の家を買う。その顛末。人生最後の引越し。〉
病の苦しみ、編集者との確執、作家仲間・友人・知人への罵詈雑言、夫婦生活のことまで、本人は発表する気持ちで書き続けていた。野次馬には面白いが、関係者は堪らない。夫人は
〈「あなたか私かどちらか死んでから出して!」とわめいている。〉
直木賞候補になって、
〈七月朔・水曜日。晴。/私は今日で五十三歳になった。何の渇望も祈りもない。この業病の強迫神経症があるだけだ。書くことは、これ迄に書きたいことのほぼ八割を書いて来た。書いてしまった。/もういつ死んでもよい。死ぬことは恐くない。この頃は編輯者に言われて、書いているだけだ。こういう外発的な文章は、文学ではない。内発的にこれを書きたいと思うて書くのが文学だ。(中略)編輯者にあれこれ言われて書くのは、本当に厭だ。(後略)〉
今月、『車谷長吉全集』全四巻(新書館)完結。
(平野)