5.18 「朝日俳壇」「朝日歌壇」より。
〈吉里吉里忌(きりきりき)ひようたん島にドン・ガバチョ (市川市)福田肇〉
〈深い息で北条民雄を読み終えるトランプトランプと騒がしい世に (浦安市)中井周防〉
本や本屋さん関連を選んで紹介しているけれど、こんなのも。
〈「日本人って戦争好きだ。敗けるまでは」年表閉じて孫が呟く (船橋市)清水渡〉
5.20 歯医者さん、ギャラリー島田DM作業。スタッフさんたちと出版記念展覧会の話。海文堂と縁深い画家さんたちに協力依頼することに。
5.22 本屋さん、荷風、時代小説など。荷風本は前篇・後篇なのに、レジに後篇を2冊持って行っていた。ヂヂイは常に迷惑をかける。
5.23 拙著で登場する方のお名前、漢字の「読み」で悩む。確か濁らずお呼びしていたと思うのだけれど、実際はどうなのか自信なし。たとえば「中田」は「なかた」なのか「なかだ」なのか? 「浜崎」は「はまさき」か「はまざき」か? どっちでもいいという問題ではない。「東」は「あずま」なのか「ひがし」なのか? 「東海林」という難しい苗字には「しょうじ」「とうかいりん」という読み方(他にもあるらしい)がある。
5.24 週末は雨、という周期。午前午後とも図書館。
■ 『怪奇探偵小説傑作選1 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談』
日下三蔵編 ちくま文庫 2001年2月(手持ちは同年3月二刷)
酔狂者が集まり怪談話や体験談を語り合う岡本綺堂版「百物語」。綺堂の怪異譚は古今東西の話を取り入れている。海外の探偵小説も愛読した。不思議な幽霊話もあるが、できるだけ科学的合理的に謎解きをする。精神的な弱みであったり集団心理であったり。祟り、愛憎、因縁などの名を借りて悪事を働いたり、仕返ししたり、そういう人の心が一番恐ろしい。
日下は編集者、ミステリ・SF研究家、古本蒐集者。アンソロジー編集多数。5.24「朝日新聞」広告に、著書『断捨離血風録』、小山力也『古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸』(共に本の雑誌社刊)。
(平野)