2026年1月1日木曜日

謹賀新年 德兵衞はん

新年おめでとうございます

二〇二六年 令和八年 丙午 元旦

皆様のご健康をお祈りいたします。

昨年、人生七回目の巳年を無事過ごすことができました。頭のてっぺんから手足の先まで内も外も悪いところだらけですが、まだどうにか動けそうです。

昨夏は念願の神戸元町本『神戸元町ジャーナル』(みずのわ出版)を出版することができました。出版元・柳原一德さん、ギャラリー島田の皆さん、海文堂書店関係者はじめ多くの方々のご協力とご支援に感謝申し上げます。

年賀状は本年をもちまして終了いたします。ブログ「ほんまに日記」はボケながら続ける所存です。今後ともよろしくお願いいたします。

画像は、上から妙光院の馬頭観世音菩薩(神戸市中央区神仙寺通)、生田神社絵馬、湊川神社絵馬。


 




閒村俊一 『句集 德兵衞はん』 書肆アルス 3800円+税



 1954年兵庫県生宍粟郡(現宍粟市)生まれ、装訂家。『新校本宮澤賢治全集』(筑摩書房)、『新編中原中也全集』(角川書店)、ちくま新書他、単行本も多数担当。俳人でもあり、本書は第三句集。付録の「栞」には嵐山光三郎、永田和宏、福島泰樹ら著名な作家・歌人・俳人らが寄稿。

 書名の「德兵衞」は近松門左衛門「曽根崎心中」の「お初・徳兵衛」。映画「国宝」をご覧なら、「死ぬる覚悟が……聞きたい」の名場面を思い起こすでしょう。死出の道行。

〈道行やお初德兵衞マスクせよ〉

〈盆の月なんや德兵衞はんかいな〉

 帯に「虚実綯ひ交ぜ道行句集」とある。文豪、詩歌の先人、知友、先に逝った人たちに加え、たまたま同じ飲み屋にいたおっちゃん・おねえちゃんも登場する。これも道行。装訂家ゆえ書物を題材にした句も多数。

〈本滅ぶニッポン滅びつゝ紅葉(もみ)づ〉

 旧字旧かな。多くの句に詞書、前書が付く。句であったり短歌であったり。

〈マムラくんのラにアクセント置き呼ばる和平(わっぺい)さんの訛りなつかし

 日比谷線入谷遠雷連れて乗る 〉

著者「あとがき」より。

〈きのふな、德兵衞はんに會うたんや。シンチのスナックや。ほんまよう飲んでたで。べろべろ(原文繰り返し記号)やつたわ。カラオケも絶好調、かなんやつちやでほんま。先週お初ちやんが入れていつたボトルもカラやがな。もうそれぐらゐにしときィ言うたつたんや。お開きやで德兵衞、ちやんと新しいボトル入れときや。なんや立てへんのんかいな、ほれ、鐘が鳴つてるで、今生の鐘やで。一緒に歸ろ。送つて行つたるわ。なんやて、ローソンでハーゲンダッツ買ふ? わかつたわかつた(同前)、買うたる買うたる(同前)。せやけど道行だけは堪忍やで。(後略)〉

(平野)本書は著者と共通の友人から頂戴したもの。その友人も句に詠まれている。