4.25 連休に孫たちが来るので、掃除・片付け指令。やらんと、放り出される。
花壇のさくらんぼ収穫。今年もたくさん実が生った。ご近所に少しずつおすそ分け。
4.26 「朝日俳壇」より。
〈平台の新入生の読むべき本 (川崎市)多田敬〉
〈老二人絵本見てゐる春夜かな (大阪市)島田和子〉
4.27 さくらんぼの実まだたくさんある。野鳥が来て啄んでいる。孫たち来るまで残っているか?
吉田篤弘 『つむじ風食堂の夜』 中央公論新社 2000円+税
2002年筑摩書房刊(05年ちくま文庫)を全面改稿し、著者自身による解説を収録。
架空の町・月舟町シリーズ。十字路の角にひっそりある夜だけ営業の食堂。
〈暖簾に名はない。/食堂のあるじは、「名無しの食堂」を気どったのである。ところが、十字路にうなる風に巻き込まれた客の誰もが、/〈つむじ風食堂〉/と少し目を細めて、そう呼ぶようになった。〉
殺人事件なし、家族や男女のドロドロなし、再開発で住民が困るという話もなし。語り手=主人公は雨を降らせる研究をしている中年の「先生」。生活のためにアパートの部屋にこもって雑誌原稿書き。食堂の主人と姪サエコさんと猫オセロ、常連客の帽子屋桜田さん、劇団女優の奈々津さん、果物屋の青年。それに古本屋のデ・ニーロ親方、古道具屋の親父らが話題を提供。アパートの家主、母親、手品師だった父、父が通った喫茶店タブラさんとその息子、編集者の小氷さん。父は幕の後ろから手だけ出して手品を披露した。「先生」は袖口だけの舞台衣装を部屋に飾っている。
孤独な「先生」が常連さんたちと宇宙の話や時空の難しい話をして、彼らから訳あり商品を買う。桜田さんから「二重空間移動装置」=万歩計、古道具親父からよく似た場所に傷のある机ふたつ、デ・ニーロ親方から唐辛子本、桜田さんから帽子も。次第に親しみが深まり、学生時代の演劇活動を打ち明けると、奈々津さんから脚本依頼。父との思い出の場所を訪ねると、タブラ二代目に会い、互いに亡父からのメッセージに気づく。
四方からの風に吹かれるようにして人と接し、モノや記憶が集まる。散らばって行くモノもある。
(平野)