■ 高橋輝次編著
『誤植文学アンソロジー 校正者のいる風景』
エッセイ篇、木下夕爾、吉村昭、杉本苑子、杉浦明平、落合重信、宮崎修二朗、大屋幸世、河野與一。
校正者は執筆者である学者から万年筆をプレゼントされた。
《……そのときの教授の言葉をそのまま借りれば、毎回、わたしの校正に、大いに助けられたということなのだ。》
小池の「校正」についての考えが書かれている。
《仕事というものには二種類あるのではないだろうか。守る仕事と推進する仕事。一つの仕事のなかに、この二つの側面があるともいえる。一人の人間が関わることで、プラス一、プラス二と価値が増大していく場合は、「推進」であり、地面をひたすら足踏みするように、地固めをするのは、「守る」仕事だ。
そして校正は、限りないマイナスを、ただいっしんに、「ゼロの地点」に引き上げる仕事。間違いというのはなくて当たり前、そこからようやく内容の吟味が始まる。ゼロという出発点に、出版物をとりあえず並ばせるまでが、わたしの仕事だ、とわたしは思う。》
(平野)
『ほんまに』新規取り扱い店
【東京都杉並区】 Title(タイトル) 03-6884-2894
本年1月10日に開店したばかりの新刊本屋さん。ありがとうございます。
論創社 2000円+税
高橋は1946年生まれ、フリーの編集者。2013年に『増補版 誤植読本』(ちくま文庫、元版2000年東京書籍)を編集。作家・学者たちの「誤植」「校正」についての怨みやら編集者の失敗談などエッセイ中心だった。本書では、「校正者」が主人公であったり「校正」の仕事に触れた小説8篇、「誤植」体験などのエッセイ8篇を掲載する。
小説篇、河内仙介、和田芳恵、上林暁、佐多稲子、倉阪鬼一郎、小池昌代、川崎彰彦、田中隆尚。エッセイ篇、木下夕爾、吉村昭、杉本苑子、杉浦明平、落合重信、宮崎修二朗、大屋幸世、河野與一。
小池昌代「青いインク」
雑誌で校正を担当する女性と、仕事仲間や執筆者たちとの「青いインク」の万年筆を通しての交流を描く。校正者は執筆者である学者から万年筆をプレゼントされた。
《……そのときの教授の言葉をそのまま借りれば、毎回、わたしの校正に、大いに助けられたということなのだ。》
小池の「校正」についての考えが書かれている。
《仕事というものには二種類あるのではないだろうか。守る仕事と推進する仕事。一つの仕事のなかに、この二つの側面があるともいえる。一人の人間が関わることで、プラス一、プラス二と価値が増大していく場合は、「推進」であり、地面をひたすら足踏みするように、地固めをするのは、「守る」仕事だ。
そして校正は、限りないマイナスを、ただいっしんに、「ゼロの地点」に引き上げる仕事。間違いというのはなくて当たり前、そこからようやく内容の吟味が始まる。ゼロという出発点に、出版物をとりあえず並ばせるまでが、わたしの仕事だ、とわたしは思う。》
(平野)
『ほんまに』新規取り扱い店
【東京都杉並区】 Title(タイトル) 03-6884-2894
本年1月10日に開店したばかりの新刊本屋さん。ありがとうございます。