2023年12月23日土曜日

百年の藍

12.21 孫たちはカゼが長引いていたけれど、完全回復。ヂヂババプレゼントはまだ包装したまま。姉はクリスマスに開けるつもりで、何が入っているのか楽しみにしている。妹はもっぱら「食い気」、ママに「なんか食べたい食べたい」と訴えている。ヨソサマからみれば、「子に食わしてないのか?!」と怒られそう。いくらでも食べてしまう。元気な証拠。

BIG ISSUE469。スペシャル企画〈からすのパンやさん50周年〉。エッセイ特集〈行ってみたい、あの町この町〉。

 


 年始用の原稿、元町と「ひょうご部落解放」やっつけて送信。

12.22 仕事中、冷たくて指先が痺れる。去年暮れから冬中手足凍傷、痛かった。今年は注意してヂヂ肌ケア。

 増山実 『百年の藍 100Years of Indigo』 小学館 2000円+税



 岡山の繊維業・鶴来家の人々100年の物語。足袋製造から始まり、学生服・セーラー服、軍服、再び学生服。戦争から平和へ、時代の大波小波に乗り、また翻弄され、未来に向けて切り開いて行く。素材も変わる。綿花から化学繊維。

大正期、恭蔵は岡山出身の画家・竹久夢二の青・藍色に憧れ上京。運良く書生になれるところで関東大震災に遭遇。面倒見の良い俥屋・政次と孤児りょうと生き延びる。恭蔵はアメリカからの救援物資Gパンを手にする。その青・藍色=インディゴのズボンを自分で作りたいと考え、故郷に戻る。色・製法の謎に挑む。その挑戦はりょう、孫・ひ孫の世代に受け継がれる。

(平野)

セ~ラ編集長から本書に海文堂登場と教えてもらった。さてどうつながるか。青・藍色は阪神淡路大震災被災のブルーシート。そのルーツは岡山畳・花ゴザ。

震災より前にりょうは事業から引退して神戸で暮らす。元町に取引先があった。そこで「海会堂書店(かいえどう)」の看板を見つける。

「海に会うで、海会堂や。あたいは、ええ名前じゃなあ、と思うて、港町のその書店に入ってみたんじゃ。商店街の中の本屋にしては、結構広い店やった。百坪近くはあったかなあ。二階建てでな、平台や棚を見たら、品揃えが、他の書店とは違う。(中略、りょうは女学生の時親類の古本屋に下宿し働いた)ええ書店には、ええ書店の匂いがするんじゃ。古書店なんかは、店主の色がそれぞれ棚に現れて特徴があるもんじゃけど、そこは新刊の、しかもそこそこ大きい書店じゃのに、棚に表情があった。何より、店の名前からして、表情があるじゃろう」

 船の本、フランス語・カイエの説明、「杣田社長」の手作りギャラリーのことと解任の事情まで。著者はかなり事情に通じておられる。 

 りょうはギャラリーを手伝うことに。