3.25 家人と京都大谷本廟墓参り。平日朝、通勤ラッシュ終了して電車楽チン。春休みだし、観光客はたくさん。
花粉舞い黄砂たなびく墓参り よおまる
3.27 福岡アリスメール、早速拙著予約してくれた由。
3.30 「朝日歌壇」より。
〈図書館に陽がさして来てしずかなり受験シーズン終わりし日曜 (橋本市)秋月晶江〉
拙著に掲載する写真の人物の名前不明。ずーっと前のミニコミ誌「ほんまに」古本屋店主さんの寄稿を思い出し、ご教示願う。感謝いたします。
図書館で知人に遭遇、立ち話。お子さんご一緒、ヂヂイはしゃぐ。
■ 梅崎春生 『ウスバカ談義』 解説・荻原魚雷 ちくま文庫
1000円+税
梅崎生誕110年、没後60年。第一次戦後派の作家、戦争小説で知られる。ユーモア小説もあり、本書はその短編集。画家で定時制学校の教師・山名が小説家の家に出入りしていろいろ世話を焼き、雑用を引き受ける。小説家と奇妙珍妙な会話、やりとりを繰り返す。
表題作は、駅でのサラリーマンの口喧嘩。足を踏んだ、踏まれたから、「大バカ野郎」「ウスバカ野郎」と応酬。「ウスバカ野郎」と呼ばれた方が激昂し、鞄を捨て相手の胸ぐらをつかむ。
「すると相手も怒って取組合いになるのかと思ったら、意外にもしゅんとなって、うん、なるほどウスバカは言い過ぎだった、取消そう、と言ったもんですからね、いきり立った男も気を抜かれたらしく、相手の胸ぐらから手を離し鞄を拾い上げ、これから言葉に注意せよと捨てぜりふを残して、こそこそと人混みの中に逃げて行ったですな。(後略)」
山名が言うには、
「大バカよりウスバカの方がののしり方としてきついんですよ」
「大バカてえのはね、バカの大なるものですから、箸にも棒にもかからない手合いのことです」
互いがののしり合いの言葉とわかっている。
「ところがウスバカの方はそうは行きませんや。ウスバカというと、バカの程度が浅いやつで、普通人よりちょっと知能程度が低い手合いです。社会生活もできるが、どこか釘が一本抜けているという感じのものです」
お互いに自分が「ウスバカ」という気持ちが胸の奥底にとぐろを巻いていて、一番痛い真実をついてしまった、つかれてしまった。
「口喧嘩にもルールがありましてね」
山名には実在のモデルがいて、梅崎作品にたびたび登場する。梅崎自身の姿も投影されている。
(平野)