■ 木下直之 『せいきの大問題 新股間若衆』 新潮社 1800円+税
芸術作品の男性裸体表現(股間)に着目、「股間」表現の規制と変遷を考察する「股間若衆」第2作。今回は女性裸体も。
著者は1954年浜松生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科教授、文化資源学研究、元兵庫県立近代美術館学芸員。なぜ「股間を隠さなければならないのか」、アウグスティヌスやカントまで引っ張り出して考える。まさに大問題。
目次
帰ってきた股間若衆股間風土記
日本美術の下半身
春画ワ印論
性地巡礼
猥褻物チン列頒布論
カバーの絵は雑誌『世界公論』1918年1月号表紙。裏は河鍋暁斎の春画。
本書原稿に『股間若衆国語辞典』をあれこれ項目立てて書いたが、編集者に即日却下されたそう。《こかんわかしゅう【股間若衆】①またぐらの表現に意を凝らした男性裸像。日本では絵画よりも彫刻にすぐれた作品が多い。その名に反して若くはない者もけっこういる。(後略)》
(平野)真面目な研究者です。けど、おかしい、おもしろい。