5.31 女性の声で留守電。うちの電話はボロくて音声が割れて名前を聞き取れない。すぐにまたかかってきて、話すうちにようやくなかよしの駄菓子屋さんとわかる。
6.1 古書愛好タカさんから共通の友人急逝の知らせ。あまりに急で、言葉が出ない、涙も出ない。
埼玉いわさんからカフェのオリジナル雑貨届く。ありがとう。
6.2 ご親族からもお知らせあり。梅雨無常。涙涙。
6.3 訃報、上岡龍太郎。
「BIG ISSUE」456号。表紙とインタビューは是枝裕和。
6.4 「朝日歌壇」より。
〈えほんではかわいかったと本物のヒキガエル見てべそかく娘 (川崎市)小暮里紗〉
〈青春の「朝日ジャーナル」捨てました明日から老人ホームに暮らす (海南市)樋口勉〉
同紙神戸版に兵庫県古書籍商業協同組合が「古本屋入門講座」開催の記事。
福岡さんと電話して、また涙。
6.5 新刊本がなくて積ん読本。『ちくま日本文学全集 幸田露伴』(筑摩書房、1992年)。鷗外や荷風や明治物を読むと必ず登場する文豪。このところ元町原稿資料にも露伴が出てくる。小学校のとき塾(べつべん)のワークブックで作家と作品を結ぶ問題があった。幸田露伴=五重塔、谷崎潤一郎=細雪など。小学生がそんな小説読めない。話の筋などどうでもよくて、ただ覚えるだけ。
「五重塔」は本書には収録されず。カバーの絵は五重塔なのに。
以前当ブログで森於菟の露伴追想「脈鈴」を紹介した。本書収録「幻談」(釣り好きが体験した怪談話)に「脈鈴」のこと。ケイズ釣という隅田川の奥まで入ってくる黒鯛釣を楽しむ。
〈で、川のケイズ釣は川の深い処で釣る場合は手釣を引いたもので、竿などを振廻して使わずとも済むような訳でした。長い釣綸(つりいと)を篗輪(わっか)から出して、そうして二本指で中(あた)りを考えて釣る。疲れた時には舟の小縁へ持って行って錐(きり)を立てて、その錐の上に鯨の鬚を据えて、その鬚に持たせた岐(また)に綸をくいこませて休む。これを「いとかけ」と申しました。後には進歩して、その鯨の鬚の上へ鈴なんぞ附けるようになり、脈鈴(みゃくすず)と申すようになりました。(後略)〉
釣り人と船頭は土左衛門を引き上げる。立派な釣竿を握っていた。
(平野)