2024年8月22日木曜日

戦争ミュージアム

8.18 「朝日新聞」〈まなび場 天声人語〉で1986818日付「天声人語」掲載。当時川柳人口が増え、新聞・雑誌他さまざまな誌紙にも読者投句欄が設けられる。が、川柳を駄じゃれ、ごろ合わせ、ことば遊びと考える人が多い。時事川柳については、怒りにまかせて作るだけ、スローガン的作品、という批判も。そこで執筆者は鶴彬(つる・あきら)という川柳作家を紹介する。「手と足をもいだ丸太にしてかへし」など反戦の句で知られる。執筆者は「戦争の非情さへの命がけの抵抗」と評する。昭和12年、鶴は治安維持法違反で逮捕され、翌年留置場で病死、29歳だった。鶴にはこんな句もある。「タマ除(よ)けを産めよ殖やせよ勲章をやらう」。鶴の警句どおり、この国の指導者は人の命を虫けらのように扱った。

8.19 久々の雨。西は日照り、東は雨続き、お米の不作が心配。スーパーでも在庫少ない様子。天候の影響はあるが、根本はこの国の農政。

8.21 仕事夏休み。孫電話、相変わらずのハイテンション。小鬼たち夏バテなし。

 

 梯久美子 『戦争ミュージアム――記憶の回路をつなぐ』 

岩波新書 920円+税



 戦争をテーマに執筆するノンフィクション作家。本書は雑誌「通販生活」連載(20202024年)「シリーズ 戦争を忘れない」をまとめる。

〈戦争にかかわる取材を始めてからおよそ二〇年がたち、直接お会いして話を聴くことのできる体験者が減っていく中、私は「もの」を通して歴史のディティールにふれることができるのではないかと思うようになっていった。時間が積み重なった「もの」たちの美しさに魅(ひ)かれたこともあり、あらためて「戦争を伝える、平和のための資料館や美術館」=「戦争ミュージアム」に足を運んでみることにした。〉

 ランドセル、お守り、白樺の樹皮に書いた日記、実物大の爆弾模型、数々の記録……、「もの」・資料が悲惨な歴史を証言する。各館の学芸員やスタッフたちが調査・研究・整理して、わかりやすく展示。彼らの学識と熱意が現在と過去をつないでくれる。

「大久野島毒ガス資料館」「予科練平和記念館」「戦没画学生慰霊美術館 無言館」「周南市回天記念館」「対馬丸記念館」「象山地下壕(松代大本営地下壕)」「東京大空襲・戦災資料センター」「八重山平和祈念館」「原爆の図丸木美術館」「長崎原爆資料館」「稚内市樺太記念館」「満蒙開拓平和記念館」「舞鶴引揚記念館」「都立第五福竜丸展示館」。

(平野)