2026年9月3日木曜日

漢字と音読みの謎を解く

8.25 朝、図書館。

孫電話。夏休み終了で、姉は出来事あれこれを報告してくれる。妹はマニュキア(水で消える子ども用)がどうのこうのとグズグズ。

BIG ISSUE533、特集〈新しい「屋台」ことはじめ〉。従来の屋台とは違う新しい屋台。販売や飲食提供、プラス他者とのコミュニケーションや自己表現の場となる屋台。あちこちで「屋台づくりのワークショップ」が開催されている。電車で移動可能なコンパクトなものもある。各種イベントで新しい屋台が登場しそう。



8.26 仕事夏休み、朝のうち図書館。

「朝日新聞」〈声 Voice〉の読者投書欄、「近所の本屋消え やり切れぬ思い」(福島県 藤原健司さん)。今月末で近所のスーパー内の本屋が閉店する。本と本屋体験を振り返り、「何ともやり切れない」思い。小学生時代に読んだ童話をその本屋で購入して読み直し、忘れていた結末に驚く。明治の話、主人公はランプで財を成すが、電気の普及で落ちぶれる。新美南吉『おぢいさんのランプ』。

〈主人公が「新しい時代の商売」として始めたのが本屋だったのだ。その本屋が消えて行く現実に複雑な思いが残った。〉

 買い物帰り、元町商店街で旧旧同僚・タケさん。だが、あちらはすぐに私をわからない。電話が通じなくなっていて、5年ぶり。立ち話で近況を報告し合い、住所を訊いて拙著を送る。

 本屋さん、新書2冊と黒川博行の犯罪小説。

8.27 朝起きるなり家人が「今日はちゃんと聞いたで、寝言!」と。ヂヂイがよく寝言をモゴモゴ言っているらしいが、本人は全く知らない。心の秘密でも叫んだのかとドッキリ。「せんさんびゃくよんじゅうろくえん、て言うてた」。本屋時代のレジの夢か、一切記憶なし。

 図書館、ハーンさん。

8.28 『茨木のり子全日記Ⅰ』読了。読んでいる途中で紹介したから、1961年(昭和36)の夫の蜘蛛膜下出血と闘病、鬱病発症に触れていなかった。のり子も頭痛に耐えながら、詩人・作家の仕事が増えていく。苦しい時期だが、夫が少しずつ快方に向かうことや、家事・裁縫、芸術鑑賞、家族・友人との交流を励みに穏やかに生きる。洗濯機・ミシン購入で喜び、家計を愚痴り、批評に怒る。

〈私が詩を書くのは、自分自身を潑剌とせしめ、ひとびとを潑剌とさせるためだということがわかってくる。そういう欲求に根差した行為だということが……。〉(1959.5.22

9.1 朝図書館、ハーンさん。午後買い物。本屋さん、メモを書き間違えていて、文庫探すのに右往左往。帰り道、おにぎり持った古書店主にバッタリ。

 

中澤信幸 『漢字の音読みの謎を解く 呉音・漢音・唐音の奥深い世界』 中公新書 920円+税



 日本の漢字には読みがたくさんある。音読み、訓読み。漢字は中国伝来だから、音読みは中国語。その音読みに、呉音・漢音・唐音という3種類ある。本書表紙にあるように、「行」は、呉音「ギョウ」、漢音「コウ」、唐音「アン」。なぜ日本の漢字の読みはこれほど複雑なのか。文字によっては慣用音というのもある。

「音」それぞれ伝えられた時期や経緯が異なる。漢音は飛鳥時代から平安時代に遣唐使などを通じて。呉音はそれ以前に仏教経典とともに。唐音は鎌倉時代禅宗によって。

新しい読みが伝わってきても従来の読みがそのまま使われてきた。それはなぜか。

 日本人が外国語である漢字を文字として使う、その積み重ねのなかで、先人たちは読み書きを整備してきた。その整備で、たとえば「明」は漢、慣用音という枠を作った。

 著者は1971年生まれ、山形大学人文社会科学部教授、日本漢字音韻研究。難解複雑な学問の成果を体系づけてわかりやすく解説してくれる。ヂヂイには音韻論や中国語諸方言の話は難しい。

(平野)