8.1 朝、図書館でラフカディオ・ハーンのこと。帰宅後、本屋さんで昭和の俳人「西東三鬼」を主人公にした小説購入。戦中戦後三鬼は神戸で過ごすのだが、それ以前のことを題材にしている。
8.2 「朝日歌壇」より。
〈夫を継ぎ長く老女の営みし書肆(しょし)に閉店告げる貼り紙 (観音寺市)篠原俊則〉
8.4 家人多忙、ひとりで京都。〈歌川国芳展〉京セラ美術館と大谷本廟墓参。美術館開場まで時間あり、しばらくぶりに平安神宮参拝。美術館も現在の姿になって初めて、地下が入口になっている。家人指令の買い物をして帰宅。
孫(姉)のピアノ発表会動画届く。上手上手、リズミカルな曲を軽快に弾いて、ヂヂイ汗引く。ヂヂバカちゃんりん。
日影丈吉 『ハイカラ右京探偵暦』 現代教養文庫 社会思想社 1978年
日影丈吉(本名片岡十一、東京市深川区(現江東区)出身、1908~1991年)、作家、翻訳家。アテネ・フランセ在学中に坂口安吾らと同人誌創刊。卒業後、フランス語教師、料理研究。1949年雑誌「宝石」の懸賞小説で入選した「かむなぎうた」でデビュー。
主人公はハイカラ紳士・右京慎策。
〈明治の中葉にその名をとどろかした怪人物。欧米諸国の秘密警察でも恐れられていた国際スパイで、故国にいる時は総理大臣の内命や警視総監の懇請、あるいは民間の紳商や庶民の依頼、時にはだれに頼まれないでも、変った事件なら自分から買って出て、これを人間社会の探究と自ら称し、奇想天外の推理力を振う私立探偵。〉
ライバルで相棒にもなるのが警視庁随一の腕利き・吾来警部。西南戦争で顔に火傷を負い独眼、強面ながら温厚篤実。吾来が銀座を歩くと必ず事件にぶつかり、また必ず右京が絡んでくる。
文明開化が進むなか、まだ江戸の情緒や慣習が残る。痴情のもつれ、近親のもめごと、復讐、政治家暗躍、幽霊(?)登場など猟奇的殺人が起こる。科学捜査や法医学は緒についたばかり、外国人の治外法権という制限もある。右京は天才的な頭脳と広い人脈を駆使して難事件を解決する。人情厚く、目こぼしもする。かと言って聖人君子ではない。悪人のうわまえをはねることもある。最後に吾来の恋の面倒も見る。
『仮面紳士 ハイカラ右京探偵全集』(光文社文庫)の新聞広告を見たのち、古本屋さんで本書発見。
(平野)