2019年3月14日木曜日

神戸の歴史 第27号


 神戸市史紀要『神戸の歴史』第27(平成3012月) 
「県政150年」「明治150年」に寄せて――大倉山公園にかかる新しい史実等を踏まえて―― 編集・発行 神戸市(文書館) 
500円税込 

研究論文
瀧井一博 開港期神戸と初代兵庫県知事伊藤博文   
津熊友輔 伊藤博文銅像・台座と大倉山公園     
山本一貴 幻の神戸市公会堂の建設計画と設計競技  
資料編
伊藤博文の銅像・台座に関する史料の翻刻
幻の神戸市公会堂のコンペ(大正・昭和)の設計図

 伊藤俊輔(のちの博文)は長崎で倒幕戦争のための武器を調達していた。京に向かうため、186811日(慶応3127日)、イギリス軍艦ロドニー号に乗り、長崎から神戸に来た。当日はちょうど神戸開港の日。2日後、京で王政復古宣言がなされる。一月後、伊藤神戸再訪。このとき備前藩と外国人兵士による「神戸事件」勃発。伊藤はイギリス公使と交渉、処理にあたった。さらに開港行政の責任者に就任する。

 大倉山公園は広大な丘陵で、野球場あり、児童用遊具あり、全国の植物を集めた「ふるさとの森」あり、ジョギングコースにもなっている。近隣に市立中央図書館、文化ホール、中央体育館、神戸大学病院、学校、湊川神社、大きなお寺もあるという場所。最近はマンションがたくさんできている。
 公園敷地は実業家・大倉喜八郎の別邸跡。伊藤は大倉と関係が深く、兵庫県知事時代にこの別邸を利用した。1909(明治42)年伊藤が暗殺された後、大倉が神戸市に寄付、公園として市民に開放することを条件とした。11年、伊藤の銅像が建造されたが、太平洋戦争で金属供出、現在は台座のみ残っている。
(平野)
 
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