2019年8月17日土曜日

あきない世傳 金と銀(七)


 髙田郁 『あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇』 
角川春樹事務所時代小説文庫 600円+税



 主人公・幸は大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆(おなごし)奉公。番頭・治兵衛に才能と人柄を見込まれ商いの道に進む。運命のいたずら(作者の意地悪)で主人三代にわたって妻になるが、彼らの失踪や病死で、期限付きの女主人として七代目を継ぐ。
 念願の江戸進出を果たすが、上方とは習慣も考え方も好みも違う。奉公人たちと共に商いの基本を守り、知恵をしぼり、新商品の開発、顧客獲得に向けて始動。幸が着目したのは小紋柄。
 縁がつながり、支援する人たちが集まる。職人がいて、商人がいて、お客に知らせて(宣伝して)、品質をわかってもらって、ようやく売ることができる。

――お蚕さん育てるひとが居て、絹糸を紡ぐひとが居て、それを織るひとが居て、染めるひとも居て、やっと呉服になる
 まだ女衆奉公をしていた時に聞いた、治兵衛の言葉を思い返す。
――最初に問屋が買い、その問屋が小売に卸す。小売がお客さんに売る。最後にお客さんにわたるまで、それぞれが手を繋いで川の流れを作り出すんだす
 反物に仕上げられるまでに掛けられた、全てのひとの手を想う。(後略)〉

 さて、後継者問題も喫緊の課題。まだまだ続く。
(平野)

8.12 台風接近、朝の新幹線で東京。谷中墓地、家人の母方実家墓参り。小雨の中、山手線の線路を越えて「パン屋の本屋」。パン屋さんでコーヒーとパン、本屋さんで前日新聞に載っていた俳人評伝。
 赤坂で家族集合、ランチ。孫が「ヂヂ、ババ、ニイニイ(正しくは叔父だが)」と何度も点呼してくれる。息子、家人とスワローズ応援に行く予定。孫は息子の応援傘を持って大喜び。孫一家と別れて、神宮球場、ベイスターズ戦。最下位スワローズ、意地のサヨナラ勝ち。

8.13 上野国立西洋美術館「松方コレクション展」。3年前フランスで見つかったクロード・マネ「睡蓮、柳の反映」が修復され、デジタル映像で再現。また戦後返還されなかった作品も一時帰還。
 渋谷東急東横店の古本市、雑誌バックナンバーと周五郎文庫など3冊。
 神保町東京堂書店で新刊2冊、塩分補給のタブレットおまけ。サイン会の案内もしてくださるが、「旅行者なので」と辞退。

8.14 横浜で孫一家と会う。「わたしのワンピース 50周年 西巻茅子展」(神奈川県立近代文学館)。孫は展覧会鑑賞よりワークショップ。父親とおめんつくり、ヂヂとおえかきではしゃぐ。ヂヂはもっとはしゃぐ。
 電車内でバイバイ、ヂヂババちょっとしょんぼり。

8.15 山陽新幹線運休。関西在来線も正午から運休らしいので、予定を早めて帰神。新大阪まで戻り、新快速。親切なおじさんが外国人旅行者に台風で電車が止まることを教えてあげている。車内でも駅やホームでももっともっと告知しないと、意外と多くの人が知らずに移動している。
 10時過ぎ無事帰宅。

8.16 仕事終わって「明日本会納涼呑み会」。常連メンバーが多忙で欠席多いけれど、新メンバー参加で賑やか。

孫よりもヂヂが楽しむ夏休み(よ)