2019年10月6日日曜日

本と幸せ


 北村薫 『本と幸せ』 新潮社 2400円+税
 
 

 北村薫、1949年埼玉県生まれ。89年『空飛ぶ馬』(創元推理文庫)でデビュー。2009年『鷺と雪』で直木賞受賞。16年日本ミステリー文学大賞受賞。19年作家デビュー30周年。ミステリーだけではなく恋愛小説もある。詩歌評論、アンソロジー編集など幅広く活躍。
 本書は、読書の喜び、楽しさを綴るエッセイ。有栖川有栖との交遊・やりとりがおかしい。幼少時からの読書生活、懐かしいテレビドラマや漫画、落語、歌舞伎、音楽の話も。高校生時代に創作したショートショートを収録。付録に北村朗読CD、短篇小説2篇。
 
 201612月、北村は激しいめまいと吐き気に襲われ入院。退院後もしばらく安静。

〈わたしにとっての《大切な作業》とは、《本を読むこと》だ。こんな状態になれば、嫌でもそれに打ち込めるはずだ。買ったまま書棚にある『魔の山』や『荒涼館』を読破する好機ではないか。ところが、あれほど好きな、大長篇のページをめくる気力がない。そこで、ふと思った。/――四コマ漫画ならどうか?〉

 漫画でリハビリ。

私はミステリーをほとんど読まないのに、本書を紹介するのは気が引ける。書名に惹かれて、ということでご勘弁を願う。
 書名は「《ほんと、幸せ》を祈る声」でもあるそうだ。でもね、まだ仕掛けがある。本書の扉文言、「短歌合わせる村遠き星」。謎解きは「あとがき」で。

(平野)
 10.5 午前中図書館。午後「桂米團治独演会」(県民会館)。本日オープン「神戸阪急」、鳥瞰図絵師・青山さんトークショーがあったみたい。知らずに失礼。紀伊國屋書店で雑誌。