2020年10月25日日曜日

英国流 旅の作法

 10.22 六甲アイランド「神戸ゆかりの美術館」、特別展〈無言館 遺された絵画からのメッセージ〉。長野県上田市〈無言館〉は戦没画学生の作品を収集・展示している私設の美術館。普段同館で陳列されていない約130点を展示。杉原基司「神戸東亜ロード」他、神戸、芦屋出身の人たちの絵も里帰りしている。



 会場入口に窪島誠一郎館主のことばが掲げられている。

〈あなたを知らない//遠い見知らぬ異国(くに)で死んだ画学生よ/私はあなたを知らない/知っているのはあなたが遺(のこ)したたった一枚絵だけ (後略)〉

https://www.city.kobe.lg.jp/a45010/kanko/bunka/bunkashisetsu/yukarimuseum/tenrankai/index.html

 10.23 江戸の知人に東下り予定を伝える。蔦屋家電ブックコンシェルジュさんはイベントを教えてくれる。〈11.1〉は本の日だそうで、同店は1日限定「作家の本屋」開催。5人の作家さんがおすすめの本を販売。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000579.000009848.html

NRくららさんからは歓迎のおことば。うきうき。

本は、

 中島俊郎 『英国流 旅の作法 グランド・ツアーから庭園文化まで』 

講談社学術文庫 1180円+税

 著者は英文学の先生、甲南大学名誉教授。イギリス旅の文化の移り変わりとイギリス人の美意識、感性をたどる。

貴族の若者たちは「教養の確立」のため芸術の国・イタリアを目指した。古典教養=ギリシア・ローマ文化の源流を求めた「グランド・ツアー」である。他国の人との出会いが「知」のネットワークになる。ナポレオン登場でヨーロッパ大陸が戦場になると、旅はスコットランド・ウェールズの湖水地方に向かう。絵画に描かれた理想郷「アルカディア」を見出す「ピクチャレスク・ツアー」。ここからイギリスの庭園文化が生まれ、ヨーロッパに広がる。馬車が発達すると、「徒歩旅行」が重要視される。歩くこと=身体性と、彷徨、思索、孤独、空想など精神性が一体となる。現代につながるウォーキング、エコ・ツーリズム、グリーン・ツーリズムの基盤。

本書初版は2007年『イギリス的風景 教養の旅から感性の旅へ』(NTT出版)。文庫化に際し、著者から海文堂書店のポップカードで案内をいただいた。



(平野)