2023年7月4日火曜日

ありとリボン

7.2 「朝日歌壇」より。

〈霧晴れてぶどうを渡る初夏の風読み残したる『歎異抄』を開く (安芸高田市)安芸深志〉

〈見えないと無いのと同じことに成るはだしのゲンが消えた教材 (筑紫野市)二宮正博〉

〈思い出は「週朝歌壇」に載ったこと二冊求めるきょう最終号 (千葉市)高橋好美〉

 周防大島みずのわ社主来神。出版も農業も経費高騰しているのに、本も作物も値上げできない。翌日健康診断ゆえ紅茶とコーヒーで長話。

 

7.3 今週は仕事変則、本日休み。編集工房ノアから児童詩誌「きりん」の詩人の本再版届く。

BIG ISSUE458。表紙とインタビューは作家・西加奈子。語学留学先のカナダでがん告知を受け、治療。



「みなと元町タウンニュース」371号着。拙稿は「金曜」35号から48号(途中欠本あり)紹介。Web版はもうしばらくお待ちを。

 

 山口雅代 『新版 ありとリボン』 編集工房ノア 2000円+税



 児童詩誌「きりん」(1948年創刊)に詩を発表していた小学生。雅代は脳性マヒのため字を書けない。母親が彼女の言葉を書き留めた。小学校卒業記念に母がガリ版刷りの手作り詩集をまとめると、「きりん」監修者・竹中郁が編集して『ありとリボン』と書名をつけた。

「ありとリボン」

土の上に 日がいっぱい/ローセキで/おにんぎょう かいた/毛も しろ/ふくも しろ/しろい目で/青いお空を みてる/しろいリボンを つけてやると/ありが/リボンを とりにきた/おててで かくすと/ありは よけてとおった

 

 雅代は現在81歳。母とぼろぼろになった詩集に感謝し、詩集を復活させる。初版1956年、文教堂出版発行、「はしがき」竹中郁,装幀挿絵・初山滋。新版には付録として、足立巻一、浮田要三、黒田清の「きりん」紹介文を掲載。装幀(初版アレンジ)森本良成。

(平野)