2023年10月7日土曜日

遠い唇

10.4 「みなと元町タウンユニュース」374号着。拙稿、やんごとなき方の名前を間違えているおバカ。西村貫一の戦後活動と若き日の雑誌創刊のこと。Web版も更新。

https://www.kobe-motomachi.or.jp/motomachi-magazine/townnews/

 

10.5 神戸市文書館「池長孟の足跡展」1015日まで。火曜・水曜は休み。




 帰りに買い物。本屋さんは目的がなくてもウロウロしないといけない。黒川博行新刊(サイン本)と神戸文学散歩本あり。


 北村薫 『遠い唇 北村薫自選日常の謎作品集』 角川文庫 

780円+税



 2019年発行の増補版。本、編集者、文学作品をテーマ(謎)にした短編集。主人公のその後を追う作品も。

……「遠い唇」は、気になる一篇でした。主人公の寺脇は、それからどうやって生きたのか。わたしは彼と、どこかの街角で、知らずにすれ違っているのではないか。〉

大学教員・寺脇は学生時代に先輩女子からアルファベット暗号の通知をもらう。一年後、彼女の死を知る。それから数十年、彼女がノートに書いた中村草田男の俳句を思い浮かべる。

〈大學に来て踏む落葉コーヒー欲(ほ)る〉

暗号はコーヒーがキーワードだった。読み解くと、彼女の告白。

その後日譚、寺脇教授は退職間近。「振り仰ぐ観音図」「わらいかわせみに話すなよ」。

 

私は北村作品を読み始めて数年なので、全部はわからないけれど、あああの人、とわかるキャラクターもある。

(平野)