2024年1月9日火曜日

神様のお父さん

1.5 仕事初出勤。昼休みに近所の須磨寺参拝。

 孫たちはお昼前の新幹線で帰途につく。小さいけれど大型台風並みのパワーを発揮して、帰って行った。細腕ママは強くなった。ヂヂババと叔父はやれやれ7割、寂しい3割。

 大狸教授からお年玉が届く。ありがとうございます。昨秋関西学院で開催した「寿岳文章展」の図録など資料。教授が企画し、展示や図録作成、記念講演も担当された。

 


1.6 図書館。年末に孫のが借りた児童書を返却して、自分の調べ物。小磯良平描く「戦災直後の生田の森」見つける。古書店主・カタさんと遭遇。

 午後買い物。BIG ISSUE470、「トーベ・ヤンソン」「沖縄、百年の食卓」など。

本屋さんで家人の雑誌。ちょうどレジにいたヒラ嬢に新年挨拶。

 


1.7 「朝日歌壇」より。

〈がまくんとかえるくんとの友情を読みて小二の教室(へや)あたたかし (三重県)藤井恵子〉追悼、三木卓。

 孫のメッセージが冷蔵庫のドアに貼ってあった。ヂヂ胸キュン! チャンリンチャンリン。

「みなと元町タウンニュース」377号着。Web版も更新。拙稿は、西村貫一蔵書票原稿の続き。

https://www.kobe-motomachi.or.jp/motomachi-magazine/townnews/

 

1.8 臨時出勤、午前中のみ。祝日でもゴミ収集日は管理人出勤の契約をしているマンションがある。年末年始に臨時出勤を断わっていたので、今回は受諾。

 午後家人と映画。「PERFECT DAYS」。静かに始まり、主人公は淡々と日常生活を繰り返す。シンプル生活、丁寧な仕事、休憩時間に木漏れ日を撮影、銭湯帰りの居酒屋、寝床読書……。次第にまわりの人びとが事を起こして、彼の現在と過去を揺るがす。彼が今に至るまで何があったのか、見る者がそれぞれ想像すればよい。懐かしい音楽がカセットテープから流れる。

 お客はやはり高齢者が多い。グループ・カップルそれぞれ飲み物・ポップコーンを持って。それはそれでいいのだけれど、私たちは最後に退場したのだが、あっちこっちコーンこぼしまくり。かなりだらしない。

 


 北村薫 『神様のお父さん ユーカリの木の蔭で2』 本の雑誌社 1700円+税



「本の雑誌」連載を中心にした読書エッセイ。「ユーカリの木の蔭で」はフランスの詩人シュペルヴィエルの詩「動作」にちなむ。北村は時空を越えた永遠性・神秘・記憶など、物語や詩に紡がれた言葉を旅する。

今回の表題「神様のお父さん」は〈漫画の神様〉手塚治虫の父・粲(ゆたか)のこと。多忙な治虫に代わってファンの相手をしたり案内をしたり。

作家・梅崎春生の子ども(小4)が友だちと学級新聞取材で近所の手塚家を訪問。歓待され、喜んで帰ってきた。目を輝かせて梅崎に感想を言う。「神様のお父さん」が庭で寝転んでくつろいでいたことも。子の感想は、稼ぎのある息子を持ってラクする境遇になりたい。他の子もそう思ったようだ。梅崎は問う。おれのことをラクさせてあげようと感じなかったか、と。子の答えは、

「なるほどねえ。そんな考え方もあったか」梅崎春生「聴診器」(『怠惰の美徳』)

他に、夏目漱石が「アイ ラヴ ユー」を「月が綺麗ですね」と訳したのは事実か? 森鷗外の実験、大岡昇平と少女漫画、土井晩翠は「つちい」か「どい」か、さらに「つちいばんすい」の語源、本の帯、本好きたちの座談会、落語に歌舞伎に映画も。びっくりあり、お笑いあり、本の世界は広い。

(平野)