12.23 朝日新聞記事、第52回大佛次郎賞に木内昇『雪夢往来』(新潮社)。江戸時代末期のベストセラー、鈴木牧之『北越雪譜』出版まで40年の苦労を描いた歴史小説。
鵯越墓園、墓参り。帰り道、新開地でバス降りて喜楽館の正月公演チケット購入。
午後、銀行回り、買い物して、トアウエストのギャラリーロイユ「ドラコニア逍遙 オマージュ澁澤龍彦展」。澁澤と縁の深い芸術家たちによる美術作品と澁澤愛蔵品を展示。記念冊子「ドラコニア逍遙記」(ギャラリーロイユ発行)、展示作品紹介ほか、夫人と作家たち寄稿。澁澤龍子「澁澤ダイアリ」、巌谷國士「澁澤龍彦の美術世界」、山尾悠子「ドラコニアの周辺より」、東雅夫「ドラコニアの軒先で」。
元町商店街をぼんやり歩いていたら塩屋の古書店主とバッタリ。
12.24 ギャラリー島田DM発送作業。今年の展示はすべて終了して、ギャラリー内は後片付けの最中。スタッフさんがクリスマスの予定を訊ねてくれるけれど、老人夫婦には縁のないことでおます。
12.25 孫から家人にプレゼント届く。
『山本周五郎[未収録]時代小説集成』 末國善己編 作品社 2025年4月刊
戦前に山本周五郎が発表した時代小説で単行本や全集に収録されていない作品、埋もれてしまった作品を集める。少年少女向けの剣豪小説や歴史小説、職人もの、怪異・幻想譚など。少女主人公も登場。戦時下ゆえ忠君愛国の歴史観で執筆しているが、戦死や英雄礼賛に抵抗していたり、家族を思う気持ちを控えめに表現している。
「戦国少年記」(1939~40年「六年生」に「秘文鞍馬経」の題で連載、42年改題して鶴書房から単行本)は武田家滅亡から18年後の話。関ヶ原合戦で勝利した徳川方と武田家遺臣との信玄隠し財宝争奪戦。編者は、周五郎が武田甲府流軍学の弱点を取り上げて、日本快進撃の時期に足元を見直す重要性を描いている、と指摘する。
私は戦乱が続くなか庶民の声として、大阪商人に語らせているところに注目する。商人は、天下は徳川家康が治めることになる、と確信。
〈……これまでずいぶんと強い大将もいましたが、戦に強いばかりで国を治めることを知らなかった、自分の威勢を張ることには強いけれども、日本国を泰平にしよう、禁裏さまのお心をやすめ奉ろうという考をもっている大将はいなかった、明けても暮れても戦につぐ戦です、お百姓も町人もくたくたにつかれてしまいました。(後略)〉
商人は家康の徳、智恵をほめ、天下泰平を望む。主人公の少年(武田方)もその思いに共感する。財宝が見つかれば、まだまだ戦が続くかもしれない。さて、結末は?
本書、4月に出たばかりなのにお江戸の本屋さんでバーゲンになっていて、11月上京時に購入。本屋さんからの返品など傷みのあるものを出品。10月末の神保町ブックフェスティバルで販売予定が雨で中止になったため。
(平野)