5.16 家人の携帯電話機種変更について行く。担当さんのお話、老夫婦さっぱり分からず。娘や息子にやってもらえばいいという、呑気、無責任、依存。
「熱風」5月号(スタジオジブリ)の特集は〈老いとは何か〉。
養老孟司 システム化した社会では自然な変化である「老い」ですら、ノイズとして扱われることになるかもしれない。
山本學 役者は、常に人や自分を「観察」するのが仕事。歳をとったら、まず自分をよく見つめなくちゃ。
東京都目黒区で過ごす川畑三姉妹(106歳、93歳、89歳)インタビューも。
5.17 朝のニュース番組、ゲストのエコノミスト氏はテレビ登場久しぶり。ナフサ不足、「カルビーよくやった」はじめ、兵器輸出、司法改革など明解なコメント。30数年前にアメリカの友人から聞いたという話。交渉は焦った方が負け、アメリカは西部劇のガンマンで相手より速く撃つことしか考えていない。
5.19 「BIG ISSUE」527号。特集〈とっておきの植物園〉、おすすめの都会の身近な植物園。表紙とインタビューは映画俳優、ジェニファー・ローレンス。
小山鉄郎 『漢字辞典の謎 なぜ似ている 白川静〚字統』と諸橋轍次『広漢和辞典』』
論創社 2200円+税
漢字研究者・漢字辞典編者として功績の大きい諸橋轍次(1883~1982)と白川静(1910~2006)。ふたりの漢字の「解字」(成り立ちの説明)には大きな違いがある。
諸橋は、大正末期から漢和辞典編纂に取り組み、戦災を乗り越え、1960年に親字5万語、熟語53万語収録した『大漢和辞典』(全13巻、大修館書店)を完成。2000年に修訂版第二版。その後も大修館書店は『大漢和辞典』の姉妹編『広漢和辞典』(全4巻、1981~82)はじめ『漢語林』(1987年刊、現在『新漢語林 第二版』)など学習漢和辞典を刊行している。
諸橋はじめ多くの漢字研究者が典拠とするのは、後漢(西暦100年ごろ)の許慎による部首別字書『説文解字』。白川が研究する古代・殷の甲骨文字や金文が発見されたのは1899年。許慎の時代には地中深く埋もれていた。
白川説はこれまでの「解字」とはまったく異なる。古代の神、呪術に力点を置く。たとえば従来の辞典は「口」を顔にある「くち」の形と説明するが、白川は甲骨文字「サイ」(本書表紙の絵)、神への祈りの言葉=祝詞を入れる器と考える。「右」の「ナ」は古代文字では「又」(右手)で「サイ」を持って祈る字。「吉」の「士」は士族のシンボル「鉞(まさかり)」、「サイ」の上に於いて邪悪なものを祓い守る字。「サイ」系統の文字は総数の一割に近い数になる。吾、告、器、害、各、司、詞、聖、君、史……。白川説は漢字を体系的に説明できる。
その白川説に近い考えを諸橋の後継辞書が不十分ながらかなり取り入れている。もちろん学問の世界で白川説に批判はある。しかし、白川説を取るならば、それはなぜなのか、出典は何かを記すべきと苦言。
小山は元共同通信社編集委員・論説委員。白川の業績を紹介している。現在「白川静会」事務局長。
(平野)