■ 陳舜臣 『山河太平記』 ちくま文庫 2007年4月刊
初出『太陽』(平凡社)1978年1月号~79年6月号、単行本は79年7月平凡社より。
『太平記』は建武の中興から南北朝時代の歴史物語。本書はその争乱の舞台をたどるエッセイ。楠木正成が討ち死にする湊川の合戦は神戸。湊川神社は正成を祀っている。
戦前、後醍醐天皇を支えた正成は大英雄の忠臣だった。5月の楠公祭の時期、学校で講話があり、陳が6年生だった1936年は楠公戦死600年でさまざまな行事があった。陳が通った中学は正成の本陣にあたる場所だった。大人になっても『太平記』愛読した。
陳は題名に「山河」とつけた。
《山河ということばで、私たちが連想するのは、杜甫の「国破れて山河在り」の句であろう。『太平記』は南朝側からみれば敗戦の物語である。南朝の敗戦のうらには、とうぜん二十世紀の日本の敗戦があり、それから復興しつつあった目前のすがたがあった。七〇年代の日本はその復興をなしとげ、さらに列島改造のスローガンで、山河そのものが大きく変化しようとしていた。》
陳は『太平記』ゆかりの土地を、今のうちに歩いておかねば大きく変わってしまう気がした。
最初に向かったのは大和から河内につながる竹内街道。後醍醐が正成を召したとき、勅使はどの道を通って河内に行き、正成はどの道を通って笠置(山城国)に馳せ参じたか。陳は、鎌倉勢の布陣を考慮して両者のコースを竹内街道と推測し、車で走り、歩き、沿道の歴史遺跡や神社仏閣を訪ねる。
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