■ 『はっぴーあいらんど祝島通信 Vol.1』
語り 優子✩(ゆうこ) 写真 國弘秀人
みずのわ出版 1500円+税
祝島(山口県熊毛郡上関町祝島)は瀬戸内海の小さな島で、上空から見るとハート形をしている。周囲12km、約300世帯450人がビワ・ミカン栽培、漁業で暮らす。
1982年、中国電力が隣の島に原発建設計画を発表。祝島では大多数が反対だが、推進派住民と対立が生じ、1000年以上続く伝統行事「神舞(かんまい)」(4年に1度の海上神事)が2度中止になった。
著者は、自然豊かな瀬戸内海を守ろう、この海に原発が必要か一緒に考えよう、という立場。現在、彼女は島の民宿のおかみさんだが、千葉県市川市在住時代にコミュニティFMラジオで祝島のことや上関原発計画について放送した(2009年10月~11年9月)。首都圏で瀬戸内海の端っこの話題を伝えた。本書は放送内容を全4巻にまとめる、その第1巻25回分。
装幀はいつもどおり林哲夫。重厚長大・みずのわに似合わない可愛いすぎる本。カタカナ出版社のケータイ小説本みたい。著者名は「✩」付き、本文横書きだし。でも、内容は硬い。
(平野)