■ 安野光雅 『旅の絵本 Ⅸ』 福音館書店 1400円+税
■ 安野光雅 『かんがえる子ども』 福音館書店 1000円+税
『旅の絵本』は1977年以来シリーズ9冊目、今回はスイス。これまで13ヵ国・地域の言葉で出版されている。字のない絵本だが、最近は安野の解説がある。
だまし絵や隠し絵を探そうと、つい目を凝らし、肩に力が入る。リラックスして楽しまなければいけないのに。
『かんがえる子ども』は、学ぶこと・考えることをテーマにしたエッセイ集。
私たちは「自分で考える」ことをせずに、テレビやインターネットですぐに答えを得ようとする。失敗しても間違っても、自分で考え判断することが大切。自分で見つけることが楽しい。
〈「考える」ということは、「数学の問題を考える」場合のように、出された問題の答えを考えることだけではありません。「考える」ということは、普通に暮らすことです。(中略)たとえば「晩ご飯のことを考える」だけでもたいしたことですし、「子どもを育てることを考える」としたら大事業です。〉
(平野)私は毎日晩ご飯のことを考えている。赤ん坊と半月暮らして子どもを育てることも考えた。私は大事業を二つもこなしているではないか。昨日の地震後、途中停止した電車内で読んでいた。