■ 神戸新聞「次の本へ」取材班 『次の本へV3しごと編』
苦楽堂 1600円+税
次の本への出会い方を紹介する『次の本へ』、3冊目は街に出る。2015年夏、『次の本へ』版元・苦楽堂が神戸新聞文化部に提案。
〈街で暮らす「さまざまなしごとをしている人」に、本のジャンルを問わず、1冊の本から2冊目へとつながっていくお話を訊く……という連載をやりませんか〉
同紙夕刊で15年10月から18年6月まで連載。
本好きや読むことが仕事という人はそれなりに系統だった本を読むだろう。それはそれで関心あるし、彼らを偉いと思う。この連載(本書)では、普通に働き生活している人、主婦も新米母親も学生も含めて、「広い意味で大事なしごと」をしている人たち71人に、1冊の本とそれからつながる2冊目の本の話を訊く。一人一人が人生としごとへの情熱を本と共に語る。ビジネス自己啓発本、料理レシピ本、写真集、絵本、コミック、ベストセラー本、芸能人本、洋書、ゲーム攻略本……たくさんの本がある。
読了後、目次を見返して、なんでこの2冊がつながったのだったか、と再読したものが何編かある。
『図解!あなたもいままでの10倍早く本が読める』から『椿の海の記』へ
『春画 秘めたる笑いの世界』から『カムイ伝講義』へ『君といつまでも――若大将半生記』から『社会防災の基礎を学ぶ』へ
『桃尻娘』から『パンとペン』へ
『マジック入門』から『吾輩は猫である』へ
などなど。
意外な組み合わせなのだけれど、それぞれ理由がある。それが彼らの歩いてきた道。その途上にある本、本、本。
(平野)