2019年11月23日土曜日

百艸 達三 龍彦


 11.19 図書館で資料探し、郷土史研究家・俳人・古書店主「岸百艸」。以前古書愛好家の著書で名を知って、『歴史と神戸 第82号 百艸集』(神戸史学会、1977年)を読んだ。調べ足りず、生年没年間違って紹介したことがある。今回判明、1976年に74歳で亡くなっている。『歴史と神戸』創刊時の主要メンバーで寄稿し、同誌特別号をガリ版刷りで会員に配布。古書情報雑誌『書彩』も発行。

百艸「南京町の半世紀」(『歴史と神戸』第7号掲載)は「海の本屋アーカイブ」の 「Blue Anchor 冊子版」7号でご覧いただける。


 クッスー嬢から明日本会忘年会開催要求あり。赤松酒店に予約に行く。会員諸氏、連絡は今しばらく待ってちょうだい。

 
 11.21 通勤電車内と労働休憩中読書は、石川達三『蒼氓』(新潮文庫、昭和5446刷)。夢と希望の「海外雄飛」というより、日本ではどうしようもなくなった人たちの最後の賭け、ワラ、クモの糸。神戸山手の移民収容所に集まり、神戸港から旅立った。鯉川筋に雨が降る。
 富国強兵と言いながら、実は国民を食わせられない国家。でもね、石川が描くのは、新天地での夢よりも希望よりも、絶望を乗り越えて生きていくこと、働くこと、食っていくこと。

 


11.23 ちょっと前から睡眠導入読書は、礒崎純一『龍彦親王航海記』(白水社、2019年)。澁澤龍彦晩年の編集担当者による評伝、索引含め520ページ超、先は長い。今ちょうど最初の結婚破綻のドロドロのところ。そんなことがあったのか~。
 
 

 いつものことながら読んでいるものがバラバラ。無理やりこじつけると、百艸と達三は「元町」つながりで、達三と龍彦は「航海」でつながる。
(平野)