2020年8月9日日曜日

「本読み」の民俗誌


8.6 飲み会仲間・芝田真督さんから写真展「神戸角打ち巡礼」の案内。8.15から垂水区の流泉書房にて(9.30まで)。
 
 

読書は、内藤啓子『枕詞はサッちゃん 照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生』(新潮文庫)。
 
 
阪田は詩人、芥川賞作家。童謡「サッちゃん」「おなかのへるうた」で知られる。「サッちゃんの詩人」と必ず名前の前につくほど多くの人に親しまれる。詩のイメージとはまるで違う実人生を長女が語る。

〈家の中では、うるさくてしつこく、気弱なくせに滑稽で助平で変なオジサンだが、外に向かっては過剰な劣等感と羞恥心を持ち、人前に出ること、喋ることが大の苦手な父であった。(後略)〉

人間死んだら何を言われても、覚悟しておくべき。でもね、ちゃんと感謝のことばもある。

文士の子たちが、父親の奇人変人ぶりを面白おかしく語り合うのを読むことがある。他人には笑い話。ご本人たちは、たとえ多大な七光りを受けても、さぞかし迷惑、トラウマであることでしょう。
「文士の子ども被害者の会」。https://www.bookbang.jp/review/article/525024

 8.7 立秋。もう残暑と言わねばならないけど、猛暑酷暑はこれから。皆様、どうぞご自愛ください。

「みなと元町タウンニュース」の「宇野千代」のページを知り合い数人にメール送信。

 職場マンションのなかよし園児転居。元気に、バイバイ~。

 睡眠導入読書は一向に進まず、通勤休憩用に持参。でもね、本持ったままウトウト。環境変わっても結局寝ている。

川島秀一『「本読み」の民俗誌 交叉する文字と語り』(勉誠出版)
 
 
「〈本〉と呼ばれるモノはいかに民俗社会と関わってきたのか」(帯より)。
「本読み」とは、地域社会で本を読んで聞かせる人。昔ばなし、伝説、講談、歌祭文(俗謡化した祝詞)などを村人が集まる機会に独特の節をつけて読んだ。本を読んでもらうことを楽しみ・喜びにして、自分で読めなくても購入したり、どこの家にどんな本があるか知っていて借りて来たり。旧家の蔵書は個人のためだけではなかった。それらは、読み伝えられ、語り継がれ、書き写され、「地域社会の共通の知」となった。
いつの時代も、どんな場所でも、人は本・ものがたりを楽しむ。

 8.8 妹に古い神戸新聞(7.26)もらう。古書片岡店主『古本屋の四季』(片岡喜彦、皓星社)紹介記事。「本と人をつなぐ古書店の日々」。
「週刊ポスト」(7.318.7合併号)では川本三郎の書評掲載。


(平野)