11.10 よその国の選挙。トランプ共和が圧倒的という予想でゲンナリしていた。一夜明けるとバイデン民主踏ん張る。
11.11 結婚して40年の記念日。家人、家族に感謝、乾杯。
11.12 訃報。マサカリ投法・村田兆治、焼死とは。俳優・白木みのる、2年前に亡くなっていた。ご冥福を。
孫に宅配便、相撲番付表も入れる。
■ 矢崎泰久 和田誠 『夢の砦 二人でつくった雑誌「話の特集」』
ハモニカブックス 2100円+税
矢崎は新聞記者だった。1961年、父が経営する出版社からホテル用の雑誌編集を任される。64年東京オリンピックを当て込んだもの。和田がデザインしたたばこのパッケージに注目して面会を求め、初対面でアートディレクターを依頼する。ところが、不況を理由にホテルがスポンサーから降り、雑誌は発刊できず。65年、矢崎は「話の特集」を企画。和田はノーギャラで引き受ける。その代わり、デザインは勝手、編集内容にも口を出す、が条件。矢崎は「そのほうがありがたい」。
表紙・横尾忠則、ブレーンに寺山修司、谷川俊太郎、武満徹。写真家や執筆者も立木義浩、篠山紀信、小松左京、星新一ら和田人脈。矢崎が知る作家は吉行淳之介と深沢七郎くらい。のちに放送の仕事つながりで永六輔、小沢昭一、黒柳徹子らが登場する。人が人を呼ぶ。
反権力、反体制、反権威を柱に、硬軟取り混ぜ、自由とエンターテインメントを大事にした。しかし、もともと「話の特集」誌名は取次会社にエロ雑誌で登録していたものだから、都心の本屋より地方に大量配本された。売れ行き不振、赤字続き、1年で休刊。ふたりで「話の特集社」を作り復刊、友人=執筆者たちも協力。雑誌のおかげでふたりの活動も広がった。ふたりの「自分たちが読みたい雑誌」=「夢の砦」に昭和の才人たちが集まった。
1995年残念なことに休刊。2005年『話の特集40周年記念号』(WAVE出版)出版。
本書は過去のふたりの対談から「話の特集」を振り返り、「雪国」パロディや「殺しの手帖」、スターインタビューなどを掲載。
矢崎が先立った和田を追悼。
〈……マコちゃんが外出しなくなってから、一年以上会えなかった。会うことのないままに、先に逝かれてしまった。つまり、とうとう最後まで別れを言うことができなかったんだ。それがとても口惜しい。心残りでならない。あいつは僕より三つ年下なんだ。年下なのに、先に死ぬなんて、許せないよ。〉
(平野)