2024年2月24日土曜日

中野のお父さんと五つの謎

2.18 「朝日俳壇」。

〈万巻の棚の沈黙山眠る (香芝市)土井岳毅〉

〈ジャケ買(がい)の三冊の本春隣 (盛岡市)菊池十音〉

昨日の川口さん追悼の会で天然GFと近況報告しあった。

GF 「今何されています?」

ヂヂ「マンション管理人、週3日」

GF 「マンション持ってはるんですか~?」

ヂヂ「掃除してんねんや!」

GF 「マンション一棟持ってはるんですねえ~」

ヂヂ「ひとの話を聴け!」。

同会にて、元海文堂赤ヘルは昨年パパになったそう。おでめとう。

GFクッスーは幹事で忙しいのに「3月の明日本飲み会日取り決めましょう」とテキパキ。

2.19 元海文堂バイト君で現在大手書店店長キタさんから編著書(本屋本)いただく。厳しい本屋業界にあって常に前向きにイベントを仕掛ける。週末に元気業界人の方々を呼んでイベントがあるのだけれど、今回は行けない。残念。

 セ~ラ編集長に陳舜臣アジア文藝館関係者につなぎを依頼。すぐにOK出る。急ぎの用事(仕事)は忙しい人に頼むべし。

「ひょうご部落解放」186号(2023年秋号)着。拙稿は、大泉黒石『俺の自叙伝』(岩波文庫)紹介。

2.20 アジア文藝館関係方々とメールやり取りできたものの、当方の希望事項は現状無理だった。解決のヒントをいただけて、ありがたい。

 午前図書館に写真撮影の確認。午後一徳社主と神戸文書館で資料探索。今日で終了。スタッフ皆さんに大変お世話になった。

帰り道、神戸華歴史博物館に行くが休館日、日を改める。

ついでながら神戸市立博物館で資料について問い合わせるが、話が通じない。なんか門前払いの感じ。

気を取り直して一杯飲みに行こうとしたら、用事に出てきていた家人とバッタリ。

居酒屋で近くの席の男性客が意識を失って、店員さんが介抱。持ち直してしばらくしたら、もう一度ダウン、救急車。そばにいた人の話では、持病があるよう。よくあることなのか、店員さんたちは慌てず騒がず対処。

2.21 仕事済んで図書館で一徳カメラマン資料写真撮影。司書の皆さん、ありがとう。

2.22 午前中は一徳社主と原稿直し。午後は吾郎さんから資料受け取り、うみねこ堂書林で横溝正史本撮影させてもらい、神戸華歴史博物館「神戸を愛し神戸に生きた陳舜臣」展。社主帰路に。お疲れ様。

2.23 家人は横浜。図書館行って、買い物して、寒い冷たい家で留守番。

 

 北村薫 『中野のお父さんと五つの謎』 文藝春秋 1700円+税



 文芸雑誌編集者・田川美希が物知り作家たちから文学史上の難問・奇問を突きつけられる。資料に当たり、同僚たちの意見を訊く。この同僚たちとの会話は力が抜けていて、難題の合間に読者もほっとする。最後の頼りは中野に住む父。元高校の国語教師で愛書家、著者の分身。

今回の問題。

漱石の「アイ・ラブ・ユー」=「月が綺麗ですね」は事実か? なんと映画寅さんシリーズに「いい月夜でございますねえ」というセリフあり。

松本清張『点と線』トリックは「手おくれ」? 

池波正太郎『鬼平犯科帳』シリーズの語り=落語にある現代っぽい言い換えは誰によるのか? 

久保田万太郎の「十二煙草入れ」と折口信夫『口訳万葉集』(まんにょうしゅう)と落語について。

芥川龍之介の最初の本のこと。

お父さん=著者はすべて答えをつかんでいる。その答えにたどり着くまでの、こっちそっちあっちどっちの資料渉猟、探索の過程を小説に仕立てる。読者をうならせる。

(平野)