2024年7月6日土曜日

佐野繁次郎装幀集成 増補版

6.30 「朝日俳壇」より。

〈八丁堀、小伝馬町と地下をゆく電車にゆかしき藤沢周平 (堺市)丸野幸子〉

〈わが町に本屋なければ入選に賜(た)びし図書券ひきだしの中 (ひたちなか市)篠原克彦〉

〈立ち読みは座ってしてと椅子を置く恐縮至極な書店と出逢う (春日部市)阿部功〉

「朝日俳壇」より。

〈缶ビール村上春樹読む午後の (甲府市)辻基倫子〉

 朝、図書館。ずっと1981(昭和56)年の新聞マイクロフィルムを見ている。なかなか探す記事に当たらないが、ニュースいろいろ面白い。

7.1 「朝日新聞」1面と4面に〈沈黙する「自由都市」〉。国家安全維持法のもと、統制を受ける市民の姿を報告するシリーズ。第1回は書店と書店員。中国本土で「禁書」扱いの本を並べる。香港当局の「検査」という嫌がらせをたびたび受ける。廃業した店もある。

「本は本来、自由なもの。思考を管理することは誰にもできません」

「どんな都市にでも自由な思考ができる空間はなくてはならない。それは私たちの権利であって、どんな権力であっても阻止できない」

 ある書店は、政府との対立を望んでいるわけではない、とレッドラインを見極めながら販売を続ける。

「ただ、今の書籍を売るのをやめるのか? と聞かれれば答えは『ノー』。先に後退するようなことはしない」

 我が国の取次と書店経営者は経産大臣と書店振興について車座討論した。お上に頼って、それでいいのか?

7.5 「みなと元町タウンニュース」がリニューアル。カラー版にして、写真たくさん、紙質も良くなって、おしゃれ、なんでしょう。ヂヂは去るのみ。

https://www.kobe-motomachi.or.jp/motomachi-magazine/townnews/

 

 『佐野繁次郎装幀集成 西村コレクションを中心として 増補版』 

編著者 西村義孝 構成者 林哲夫 みずのわ出版 6300円+税



 初版は2008年同社より刊行。

コレクターの性(さが)というのでしょうか、西村の蒐集の楽しみはいつの間にか「買うは天国、払うは地獄」に。装幀本だけのつもりが、雑誌の表紙に使われた絵の実物を目録で発見したところから美術品にも広がる。

……一度高いハードルを超えてしまうと躊躇の度合いは下がるような気がします。貴重な機会これを逃すと次はないと自身に言い聞かせて手を伸ばしてしまうのです。(後略)〉

 貴重本を入手するために蒐集品を手放す。すべてを保持することはできない。

詳細は林哲夫ブログをご覧いただくのが良いと思います。

https://sumus2018.exblog.jp/page/5/

  版元が用紙の余白を有効活用して小冊子作成。予約特典でいただいた。初版も持っているのだが、どこかに紛れ込んでしまって探せず。

(平野)