4.14 「現代詩手帖」4月号特集〈モダニズム詩再考〉。季村敏夫・高木彬編『一九二〇年代モダニズム詩集――稲垣足穂と竹中郁その周辺』(思潮社、2022年)は著名な稲垣・竹中周辺の多彩な詩人たちを取り上げている。その編者二人の対談(2024。12.21 神戸文学館)他、大正から昭和初期の詩人たちを取り上げる。
4.16 家人が買い物ついでに「BIG ISSUE」500号、501号を買ってくれる。ヂヂイが元町駅を通る時には販売員さんに会えない。
4.17 ギャラリー島田DM作業お手伝い、ヂヂイにとってはボケ進行減速リハビリ。島田社長の孫ちゃん(昨年12月誕生)と初対面、抱っこさせてもらう。愛想よくて笑ってくれてヂヂイは幸せ。個展開催中の画家さんは拙著で触れる元町の喫茶店と深い縁のある方と知る。帰りに本屋さん寄って、『近代出版研究 第4号』(近代出版研究所発行、皓星社)〈書物百般・紀田順一郎の世界〉。
■ 鹿島茂 『古本屋の誕生 東京古書店史』 草思社 2200円+税
フランス文学の先生。文化・風俗、古書蒐集、評論と守備広範囲。書評アーカイブ主宰、共同書店開業、古書店研究など出版業界にも貢献。
「本屋はなぜ新刊本屋と古本屋に分かれたのか」の疑問から始まって、出版、写本、印刷など本の歴史から、出版ビジネスの歴史にも話が及ぶ。歴史資料に残る最古の書物売買と移動に関する証言は平安時代の書家・藤原行成の書状。経師(きょうじ、写経に従事する者)の妻が不要になった手本や古書を売りに来た、とある。17世紀初めポルトガル人宣教師が著した『日葡辞書』には「経師屋」の項目に「経開き、拵へ、綴づる家。印刷所または本屋」と記されている。鹿島は「経師が広い意味での本屋の起源であることを示している」と。
出版、取次、新刊販売、古本販売という業態の発生、成立から現在の古書店業界にいたるまでを詳細に解説する。そして、古書業界の未来を考える。
神田神保町の古書店街は世界的な遺産と言ってよい。この街が永続していくためには、「超専門性と超大型性という二つの方向性を失わないようにすることが肝要」。そのためにはどうすればよいか。鹿島は二つ提案する。これは本書を読んでちょうだい。
そのうえで最終結論。神田神保町の古書店街を守る「究極のパワー」は「神田神保町の古書店主であることの誇りなのであり、それ以外にはありえない」。
(平野)