2026年9月12日土曜日

流砂

9.8 近畿も大雨。

 先日紹介した『本とねこと青い自転車』の著者は大学入学まで須磨で暮らした。地元の本屋さんのことを書いている一文があるので、元店主さんにお知らせ。いらぬおせっかいかも。

 雨の中、歯医者さんに向かう。外出を待っていたかのように大粒が降ってきた。

9.11 昨日は台風一過、青空も見えたが、今日は雨模様。

9.12 朝、図書館。ハーンさん調べ。神戸の新聞社勤め時代の論説(1894年=明治2710月)「地震と国民性」。相次ぐ自然災害(91年濃尾地震、93年中国地方台風による洪水、94年山形県地震)と日本人の国民性について。「災害の後に見られる日本人の素晴らしい回復力、あるいは苦難に際しての見事な忍耐力」を称賛している。

 

黒川博行 『流砂』 新潮社 2500円+税



 著者得意の犯罪小説。今回は「匿名流動型犯罪」=トクリュウ。首謀者は綿密な計画があるようだが、実行役は闇バイト募集の寄せ集めで暴力も辞さない。高齢者を狙う詐欺犯罪から近年は暴力強盗に様変わりしている。監督役、リクルーター、受け子に出し子、ケツ持ちの暴力団、金主など階層があり、情報屋に偽造屋などもある。実行犯が捕まっても上まで及ばない仕組み。

宗教二世・青木(偽名)は闇バイトに応募しては報酬を得ていた。彼は獲物をすべて分捕るため冷静に計画・準備。証拠・証人を残さないためターゲットを殺害して、死体を処分する土地まで用意した。簡単に実行してしまう。上層部も黙っていない。裏切者・反逆者を追い詰める。こちらも暴力は当たり前。青木も殺される。大阪市内・府内から奈良、神戸、名古屋、東京、犯罪者と捜査陣が走り回る。

殺伐とした事件。捜査する刑事たちは地道に確実に犯人たちに迫る。常に前向き、ジョークをはさみながら汗を流す

表紙カバーの絵はヒキガエル。青木が購入した古民家の庭に棲息。青木は小学生の時に遠足から持ち帰って飼育したことがある。

〈……ヒキガエルはいつもじっとしているが、獲物を見つけたときは頭を向けて間合いをはかり、長い舌を一気に出して食いつく。……〉

現場にたどり着いた刑事たちもヒキガエルを見つける。

〈「あいつは験(げん)がええらしいです。犯人(ホシ)を引く、いうてね」〉

スマホで人が集まり、凶悪犯罪を起こす。実行犯はわずかな報酬で使い捨てとわかっていて加害者になり、被害者にもなる。首謀者もバイトも際限なく現れ、消える。

(平野)