2017年6月15日木曜日

トーク 鳥瞰図を歩く


 トークイベント 鳥瞰図を歩く――150年前の神戸めぐり――

青山大介(鳥瞰図絵師)と神木哲男(神戸大学名誉教授)トーク

日時:77日(金) 1830~ 

会場:こうべまちづくり会館

定員80名 申し込み先着順

資料費 1000

主催 (株)くとうてん 共催 こうべまちづくり会館
 こちらを。
http://kutouten.co.jp/

 


《鳥瞰図絵師独逸遠征凱旋記念講演》と勝手に宣伝。
 絵師の独逸訪問記は、
https://twitter.com/Kobe_UW

(平野)

2017年6月14日水曜日

あるかしら書店


 ヨシタケシンスケ 『あるかしら書店』 ポプラ社 1200円+税

 新聞広告(予告)を見て発売を待っていた。絵本作家が描く理想の本屋さん。どういうわけか、毛がなくて、おヒゲのおじさん。お客さんのリクエストに、独自の選書で応える。
 
 

《このお店は「本にまつわる本」の専門店。
店のおじさんに
○○ついての本って あるかしら?」ってきくと、
たいてい「ありますよ!」と言って
奥から出してきてくれます。(後略)》

『「作家の木」の育て方』
 本に種をはさんで埋める。生長に合わせいろいろな本を読み聞かせて育てると、「読書の秋」には本の実がなる。手間はかかるが、上手に世話をするといい本ができる。でもね、ほめすぎると他の木がスネて実をつけない恐れあり。

他に、『読書サポートロボ』『読書遍歴捜査官』『本のお祭り』などなど。
 ただ、『大ヒットしてほしかった本』はあるが、『必ず大ヒットする本のつくりかた』みたいな本を求められても、おじさんは「あーー。それはまだ無いですー。」

 一篇一篇、いろいろ考えせてくれ、笑える。
(平野)
 ほんまにWEB「海文堂のお道具箱」更新しています。

 

2017年6月10日土曜日

チャップリン


 大野裕之『チャップリン 作品とその生涯』 中公文庫 920円+税

大野は1974年大阪府生まれ、映画・演劇学研究、日本チャップリン協会会長。推薦文の黒柳徹子は名誉会長。
 大野は小4のときテレビで『独裁者』を見て、チャップリンのすごさを知った。読者がチャップリン映画の魅力を発見することを願う。

《悲しいことに、世界はますます混迷を深めている。頻発するテロや人種の対立、不寛容な指導者たちの登場を指して、新たな戦前を危惧する声もある。/そんな時代だからこそ、あくまで自由なチャーリーと、悲しい時は一緒に泣いて、どん底にいる時でも笑顔を忘れないでいたい。そして、社会の不条理に抗して闘うことのできる唯一の武器とは、あの愛に満ちた笑いであるということを思い出したい。――そう、今こそ私たちには、チャップリンの、温もりのあるユーモアがどうしても必要なのだ。》

 チャップリンは大の親日家。その初来日時(1932年)、ちょうど海軍将校らによって犬養首相暗殺事件〈五.一五事件〉が起きた。チャップリンも将校らによって標的にされていた。偶然と日本人秘書の気配り、それに自分の「気まぐれ」行動でテロを免れた。大野は当時を再現して、「このときの海軍将校側とチャップリン側の動きは、まさにサスペンス映画を地でいく展開」と書いている。
 
 

(平野)
 

2017年6月8日木曜日

ぼくの宝物絵本


 穂村弘 『ぼくの宝物絵本』 河出文庫 740円+税

歌人が名作絵本を紹介。オールカラー。初出『月刊MOE』(白泉社、200709年)他、単行本も同社から2010年刊。
 
 

《ごちゃごちゃと複雑な苦しみに充ちた現実から逃げたくなることは誰にでもあると思う。だが、その方法はひとによっていろいろだ。(中略)私の場合は、絵本やきれいな紙モノ(絵はがき、ポスター、メニュー、楽譜、ビュバーなど)をみたり買ったりすることがそれに当たる。日本の成人男性としては比較的珍しい趣味かもしれない。(後略)》

 絵本は子どもだけのものではない。知らない名作がいっぱいある。子どもの時に読んだ本も読み直したい。

《忘れていた懐かしい絵本や未知の輝きをもった絵本に出会うと、脳から液が出る。買って買って買いまくると、夢のように楽しいのだ。》

(平野)
 本は楽しむものだと思っている。悲しい話、辛い話、怖い話はできれば避けたいが、深刻なテーマは著者を信じて読む。落ち込むような本は自分の勘を信じてなるべく近寄らないが、もし読んでしまったら忘れるようにする。
 私は本読んで目と鼻から液がよく出る。

2017年6月6日火曜日

近所の古本屋さん

■ 近所の古本屋さん

 66日九州は梅雨入り、近畿も時間の問題。でもね、今日はいいことがいっぱい。
 女子の古本屋さんと電話、海文堂同僚と遭遇、NRくららさんからメールなどなど。
 そのうちのひとつ、神戸市兵庫区荒田町の古本屋さん〈蚊帳文庫〉初入店。これまでお店の開店時間と私の行動時間が合わず、何度もすれ違い。大倉山の中央図書館から西へ向かって、神戸大学医学部を通り過ぎ、有馬街道を渡った坂の途中。児童書、実用書、映画・音楽書充実。
 文庫3冊、600円也。


 
昔このあたりにコーべブックス編集長の家があって、一度だけおじゃました。見たこともない本がズラーっと並んでいた。

 もうひとつ、「朝日新聞」夕刊に内澤旬子さま記事。小豆島で獣肉加工場建設計画。
 
 

(平野)
 同じ新聞で「うんこ漢字ドリル」記事。例文すべてに「うんこ」が出てくる。
 昨日(月曜日)近所の小学生は土曜日運動会で代休。「どこ行っとったん?」と訊ねたら、「えー、うんこしとったん?」と返された。ドリルを持っていた。大笑いした。
 記事より、NPO日本トイレ研究所代表の話。
《恥ずかしいから学校でトイレに行けない、という児童は多い。排泄行為に対するマイナス感情も根強くある。ドリルのブームが、正しい排泄への知識につながるきっかけになればいい》

2017年6月4日日曜日

アンクル船長の夢


 展覧会『柳原良平 アンクル船長の夢』パンフレット 
公益財団法人尼崎市総合文化センター 100円(税込)

展覧会は尼崎市総合文化センター美術ホール、79日(日)まで。
〈船の画家〉柳原の創作活動を中心に紹介する。






船の画家を志す  中学高校時代のスケッチ、京都市美大工芸科入学
デザイナーになる アンクルトリスの誕生  寿屋(サントリー)宣伝課での広告、CM
船の画家になる  広告会社設立、「アンクル船長」誕生
アンクル船長は世界を旅する  趣味と取材を兼ねて世界旅行
絵本のしごと  創作絵本

 柳原は1931年東京生まれだが、父の転勤や戦災で京都、西宮、豊中で育つ。44年兵庫県立尼崎中学校(現在県立尼崎高等学校)に転校、美術部に入部、また船舶同好会結成。毎週大阪港にスケッチに通った
(平野)
コースターは入場記念プレゼント。館内スタンプラリー、ぬりえコーナーあり。入口とバーカウンターは撮影OKです。


2017年6月1日木曜日

表参道が燃えた日


 『表参道が燃えた日――山の手大空襲の体験記――増補版』 20082月初版 20098月増補版

 『続 表参道が燃えた日――山の手大空襲の体験記―― 20116

制作・発行 「表参道が燃えた日」編集委員会 


 価格は両書とも[900円税込](5%時代の表記)、8%換算で926円。表参道の山陽堂書店で購入。同店は1891(明治24)年創業の老舗、この街とともに歩んできた。

 関西のおっさんは、おしゃれで上品なファッションの街という印象で、近寄りがたい。しかし、この街も大空襲で大きな被害を受けた。
 1945310日の「東京大空襲」では、本所、深川、浅草、日本橋など東部の下町が焦土となり、死者は10万人を超えた。4月中旬から空襲は山の手地域に広がった。52526日に投下された焼夷弾は〈3.10〉の倍にのぼる。犠牲者ははるかに少ない。

《このことは地域の立地条件の違いや建物疎開がされたことや空襲の連続で老人や女性、子供たちの疎開が急速に増えたことも一員といわれるが、三月十日の空襲の経験から、住民が消火活動より早く避難することを選んだためと思われる。しかし爆撃を受けた市街の惨状、人々の恐怖は三月十日の空襲と変わらなかった。》

「続編」に、山陽堂書店に避難させてもらった人の体験記が寄せられている。

「山陽堂さんに助けられて」
 若林さん一家はすぐ近所の善光寺の裏手に住んでいた。母親は隣組の見回り、若林さんは妹とふたりで逃げた。

《表参道に来たら風がひどく、掻巻があっという間にくるくると飛んで行き、毬のように飛ばされ、電柱にぶつかりパッと燃えました。その時の光景が今でも目に浮かび忘れられません。/山陽堂書店さんの戸をたたいて、何人か入れていただきました。周りを見渡しましたら姉がいましたので喜び、どんどん燃えている外を怖々見ながら、母がどうしているか心配で生きた心地がしませんでした。(後略)》

 時間が経って23人の女性が店に入って来て、手と顔に大火傷をした母親と再会。

(平野) 
 山陽堂書店、昨夏訪問時はお休みで、谷内六郎壁画だけ撮影して帰った。書皮の絵は和田誠。

〈ほんまにWEB〉「奥のおじさん」更新。