■ 穂村弘 『ぼくの宝物絵本』 河出文庫 740円+税
歌人が名作絵本を紹介。オールカラー。初出『月刊MOE』(白泉社、2007~09年)他、単行本も同社から2010年刊。
《ごちゃごちゃと複雑な苦しみに充ちた現実から逃げたくなることは誰にでもあると思う。だが、その方法はひとによっていろいろだ。(中略)私の場合は、絵本やきれいな紙モノ(絵はがき、ポスター、メニュー、楽譜、ビュバーなど)をみたり買ったりすることがそれに当たる。日本の成人男性としては比較的珍しい趣味かもしれない。(後略)》
絵本は子どもだけのものではない。知らない名作がいっぱいある。子どもの時に読んだ本も読み直したい。
《忘れていた懐かしい絵本や未知の輝きをもった絵本に出会うと、脳から液が出る。買って買って買いまくると、夢のように楽しいのだ。》
(平野)
本は楽しむものだと思っている。悲しい話、辛い話、怖い話はできれば避けたいが、深刻なテーマは著者を信じて読む。落ち込むような本は自分の勘を信じてなるべく近寄らないが、もし読んでしまったら忘れるようにする。私は本読んで目と鼻から液がよく出る。