■ 臼田捷治編著
『書影の森――筑摩書房の装幀 1940-2014』 みずのわ出版 10000+税
企画協力 多田進 松田哲夫 中川美智子 林哲夫
取材協力 加藤光太郎 林哲夫掲載本提供 多田進 加藤光太郎 林哲夫
関連図版・資料提供 松田哲夫 林哲夫
装幀+エディトリアルデザイン 林哲夫
目次
はじめに――出版界のロールモデルとしての時代を超える魅力
第Ⅰ部 1940-1969 積極的な登用の始まりと社内装幀の定着へ
第Ⅱ部 1970-1989 装幀表現の進展と相似形を描く多彩な担い手の活躍
第Ⅲ部 1990- さらなる独自性の追究と原点回帰と
付録 筑摩書房出版関連資料図版
デザイナー・装幀担当者略歴+索引
あとがき
臼田は1943年長野県生まれ、元『デザイン』(美術出版社)編集長、現在は装幀やグラフィックデザインの分野で執筆活動。
《……本書は、筑摩書房の装幀に携わった幾多のデザイナー、編集者、社内デザイナーの仕事の紹介をとおして、魅力あふれる豊かな実りの系譜を展望しようと企図した。そのことで、わが国の出版文化史に類いない光芒を放つとともに、出版界のひとつの指標となっている同社の装幀が果たしている役割を多角度から浮き彫りにできれば、と思う。》
著名な芸術家、デザイナー、文化人の他、社内の編集者や専門スタッフもいた。装幀者「無記名」という本がある。
《書物装幀というものはそのテキストの内実と照らし合うことで成り立つが、テキストに百パーセント従属するものではない。介在する装幀者のテキスト解釈や美意識、固有の手法がプラスアルファされることでかたちをなす。しかも装幀は大半がひとりの手で仕上げられる。共同制作は例外的である。それゆえに装幀者のオリジナリティが顕われやすく、純粋な芸術ではないにしても、ある意味自立した「表現」世界なのである。すぐれた装幀者が手をくだした書物と書店の平台で遭遇したとき、これはその装幀者がデザインしたものであることが直観的にわかることが少なくないというように。
書物が時代の産物であると同じく、装幀もまたそれぞれの時代の文化状況を刻みつけている。各時代の嗜好や背景にある印刷技術の変遷が、リトマス試験紙のように如実に映し出されているのだ。そのため、経年による劣化状況も手がかりになるとはいえ、装幀を一瞥すると、奥付で確認するまでもなく、その書物が生まれた年代におよその察しがつく。》(平野)
5月19日、本書出版記念のトークイベントが東京堂書店であります。
http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=8257
なんで、筑摩が本書を出さなかったのか。
しばらくブログを休みました。私用で準備のヒマがなく、サボリました。サボっている間に、自分の文章作法のエエ加減さを思い知り、今更ながら反省しています。