■ 長田弘 『詩は友人を数える方法』 講談社文芸文庫 1999年6月刊
「オープン・ロード・オード」 ジョン・ハートフォード
見えるかぎり
遠くまでゆく道だ。
「どこか」というところで、
ぼくを待っている。 (後略)
インディアナ州の狭い本屋で、フィリップ・アップルマンという人が子どもたちに書いた「二十一世紀へのメモ」という詩集を手にした。自然豊かな田園の町だったインディアナ。道路は車のために舗装され、畑は更地になり、次は森。コンクリートで固められる21世紀に生きるきみたちに知っておいてほしい。
「二十一世紀へのメモ」
インディアナでは、ものみな、そこから育ったのだ。
ついで、どさくさまぎれ、
参加費1000円 要予約
元町商店街WEB更新 http://www.kobe-motomachi.or.jp/
雑誌『群像』に連載したアメリカ旅行記。単行本は1993年11月講談社より。
《北アメリカを旅し、旅をつづけることを、ずっと繰りかえしてきた。短い旅、ながい旅をして、三万マイルあまり(ほぼ五万キロ)ほど往還をかさねるうちに、気づいたのは、そうしてつづけた旅の記憶が、ものがたりのように一つながりの時間をもたない、ということだった。旅といっても、一人で旅して、じぶんで車を走らせ、ほとんどはカントリー・ロードを走り、地図を読み、黙って、風景のなかにはいりこむ。ただそれだけだ。》
地図とともに持ち歩くようになったのが詩集。
サンフランシスコの「本」という本屋で買ったウォレス・スティーヴンス。
《走りぬけてきた風景に語りかけられるような感覚に、確実にとらえられた。》
ニューオリンズの古本屋で買った詩集には1500マイル離れた図書館の蔵書印があった。
《本もまた旅をするのだ。》
大道に
僕はもどりたい。見えるかぎり
遠くまでゆく道だ。
大道が
ぼくの恋人で、「どこか」というところで、
ぼくを待っている。 (後略)
インディアナ州の狭い本屋で、フィリップ・アップルマンという人が子どもたちに書いた「二十一世紀へのメモ」という詩集を手にした。自然豊かな田園の町だったインディアナ。道路は車のために舗装され、畑は更地になり、次は森。コンクリートで固められる21世紀に生きるきみたちに知っておいてほしい。
きみたちの足下には、地球とよばれる
とても脆いものがある。知っておいてほしい。インディアナでは、ものみな、そこから育ったのだ。
長田は自由に旅をし、風景にひたり、詩を読む。
《旅にあって、詩は、おもいがけなく親しい言葉に、差しで出会った場所だった。詩は人を孤独にしない。詩は友人を数える方法だ。》
(平野)
ヨソサマのイベント
■ トンカ書店10周年企画
永田收写真展「古本屋店主・人物往来」 11/1(日)~15(日)
写真の人物は尼崎「街の草」加納さん。
ついで、どさくさまぎれ、
11/6(金)19:00~
『海の本屋のはなし』で書かなかった〈本屋のはなし〉 参加費1000円 要予約
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