2019年12月19日木曜日

ほんのちょっと当事者


 青山ゆみこ 『ほんのちょっと当事者』 ミシマ社 
1600円+税
 
 

 青山はフリーのエディター・ライター。これまで多くの人を取材してきた。
 この世の中で起きる悲しい事件・犯罪は自分に関わりのないことか。夫婦や親子のイザコザはヨソサマのことか。ひょっとしたら、幸せいっぱいの人もごくごく普通の庶民も紙一重の線上にいるのではないか。

〈わたしは社会の一員として生きている。/というよりも、社会とは私が生きることでつくられている。わたしたちが「生きる」ということは、「なにかの当事者となる」ことなのではないだろうか。〉

お金のこと、病気のこと、障害のこと、暴力、家族、介護、差別、労働……、青山は社会の問題を「自分事」として考えた。幼少時からの個人的な「困りごと」を語り、その「困りごと」=社会問題のなかに自分を置いて改めて考えた。他人事ではなく、傍観者でなく、自分事をさらけ出した。たとえば表紙絵のセリフ、「じゃあ自己破産します!!」発言は事実。実際はしなかったが。「ほんのちょっと」どころか他にも修羅場を歩んできた。

〈困りごとは、当事者や周りを困惑させもするが、不思議と姿を変えて、困りごとなだけでなくなることもある。考えてみれば、いまのわたしはそうした困りごとがあったから、カタチづくられたのだとも思う。〉

 装丁・名久井直子 絵・細川貂々

(平野)
 12.15 久方ぶりの大阪難波。心斎橋の人波に圧倒される。この人たちはどこへ向かっているのか? 道頓堀の橋の上ではほとんどの人が立ち止まって、そこから動かない。何をしているの? 友人夫妻と食事、また飲み過ぎる。
 12.17 歯医者さん行って、用事すませて、ギャラリー島田お手伝い。終了後、島田社長とお茶。
 12.18 孫と娘、帰省。寂しい老夫婦生活が一気に華やぎ賑やかになる。私、暇な時間はシッター。