2020年5月16日土曜日

サロメ


 5.14 昨日の「朝日新聞」文化欄、津野海太郎寄稿「コロナ禍こそ 気楽に本を」。同「耕論」では宇田智子「その古書 誰かには必要」。

 悪評マスク、我が家にも届く。せっかくだから使うけど、糸がほつれている。

 5.15 勤務先の巣、上の階から卵2個見える。親鳥いない。これまでは母鳥が抱卵してるところをよく見かけたが。
 
 

 本は、原田マハ『サロメ』(文春文庫)
 東京国立近代美術館の研究員・甲斐はオーブリー・ビアズリーが専門。イギリスの博物館学芸員を通して、オスカー・ワイルドの研究者ジェーンから協力を要請される。ジェーンが甲斐に〈サロメ〉は誰によって書かれたと思うか、と問う。もちろんワイルドと答えるが、ビアズリー研究者としては、〈サロメ〉の真の作者はビアズリー、と言いたい。

〈まちがいなく、ビアズリーの絵は〈サロメ〉を〈サロメ〉たらしめた。と同時に、〈サロメ〉は、ビアズリーをビアズリーたらしめたのだ。〉

未発表の「サロメ」の絵が見つかる。ヨカナーンの顔が違う。モデルは誰だ? 
 
 

蔵書から関連本。『オスカー・ワイルド全集Ⅲ」(西村孝次訳、青土社)、『ビアズリーのイラストレーション』(岩崎美術社)、『The later work of Aubrey Beardsley』(DOVER)、『ビアズリーと世紀末」(河村錠一郎、青土社)
岩波文庫版『サロメ』(福田恆存訳)見当たらず。光文社文庫新訳版(平野啓一郎)はあった。

(平野)