2020年5月2日土曜日

さくらんぼ(2)


5.2 連休始まる。家の片付け、粗大ゴミ処分。机周りは手付かず。手付けられず、が本当のところ。花壇のさくらんぼ、色づいたの少し摘む。

さくらんぼ鳥に遠慮の七つ八つ (よ)

 

三宮ブックスは外商のみ、社長は80歳を超えても現役書店員、配達に回る。本日発売雑誌の余分がないか訪ね、久々に社長と歓談。外商先も休業多く、営業継続でも衛生上お客さんに読んでもらうのを中止して、購買減少の由。本屋さんがほとんど閉まっているので、電話での問い合わせが多いそう。社長は自店は外商のみと断って、よその店舗を紹介している。私がいる時にもかかってきた。
 
 米朝本から「宿屋仇」のこと。大坂日本橋の宿屋。侍が番頭に心付けを渡して前夜の宿で相部屋に詰め込まれ寝不足ゆえ静かな部屋を、と頼む。お伊勢さん帰りの兵庫の若い衆三人組が泊まり、満室のため侍の隣部屋に。三人は威勢よく、芸者呼んで飲んで騒いで、相撲をとって騒ぐ、侍が度々番頭を呼び注意。三人ようやく布団に入り、今度は色事の話。一人が、間男して人を殺して金を盗んで、とホラを吹いて、また騒ぐ。侍、番頭を呼び、仇討ちの相手が隣の男とわかったと告げる。

 三人組が兵庫の自慢話をする。酒がうまい、魚がうまいなど。それに芝居。
……日本国中、兵庫を知らん処があるかい、いつぞや見た清盛さんの出てくる芝居、関所のとこで、兵庫の者じゃ御免なんせ、ちゅうてシュッと通るとこ、胸がすっとしたぜ……

米朝が橘ノ圓都(明治から活躍、多くのネタを現代に伝えた。神戸出身)にこの芝居について訊ねた。平清盛兵庫築港の松王伝説を題材にしたもので、神戸に来た一座がよく演じたそうだ。難工事、陰陽師が占うと人身御供必要の卦。往来する旅人たちが捕らえられ、30人。30人目の男の息子が松王。松王は父親を含め30人の代わりに人柱になると申し出る。
 松王は讃州香川城主の子で清盛の近習と言われている。米朝は、古代の防人伝説と結びつけられたという説も紹介している。
 清盛は松王供養のため兵庫津に「来迎寺」を建立。現存。

 米朝は本文執筆当時芝居のくだりは省いていたそうだが、YouTubeでは聴ける。
 須磨寺のお坊さんが相撲取りになったという話も出てくる。

(平野)