2020年9月26日土曜日

性からよむ江戸時代

9.20 「朝日俳壇」から2句。  
〈ひぐらしや母の籠つてゐし書斎 (横浜市)進藤剛至〉 
〈紙魚喰うてゐたりし本を大切に (長崎市)濱口星火〉  

 9.21 当ブログのお世話係は画家イシサカゴロウ。「ほんまに」の編集と表紙の絵でおなじみ。まもなく装幀家デビューする。
  新泉社韓国文学セレクション、キム・ヨンス『ぼくは幽霊作家です』(橋本智保訳)、10月8日発売予定。
  https://www.shinsensha.com/books/3670/
 9.25 娘と孫帰る。「なんで? なんで?」攻撃を受けて、1週間たっぷり遊んでもらった。 
  通勤・休憩用の本、
  沢山美果子『性からよむ江戸時代――生活の現場から』(岩波新書) 
 近世・近代女性史研究者。江戸時代の文字史料個人の日常生活の性の営みを読み、性生活、性知識、性意識を探る。妻との交合を詳しく記録した小林一茶、米沢藩領の山村で起きた夫婦間のもめごと、一関藩の婦人科医師の診療記録、出雲の町人の日記から見る性売買など。 〈江戸後期は、性の営みやいのちの問題を考えるとき、大きな画期をなす時代だった。この時代に、人々のいのちを守る基盤となる「家」が民衆のなかにも成立する。家を子孫に引き継ぐために、子どもと子どもを産む女のいのちを守ろうとする意識が高まり、医者や産婆が各地域に登場する。(後略)〉 一方、民衆は家を維持するために少子化の策も取った。出生間隔をあけたり、堕胎、間引き、捨て子もあった。幕府・藩は人口増加をめざし、妊娠・出産を把握し、堕胎などを監視する仕組みを作った。
(平野)