2024年6月15日土曜日

春のとなり

6.10 元町駅前の「BIG ISSUE」販売員さんをしばらくお見かけしないので、同社にメールで問合わせていた。本日返信あり、5月で「販売員」職を卒業され、新しいステップに進まれた由。彼のお名前も知った。元町で購入できないのは残念だが、販売員さんにとってはめでたいこと。さて、どこで求めよう?

6.11 大丸神戸店地下売り場で1960年代の大丸周辺の街並みがミニチュアで再現されている。洋菓子「ツマガリ」のパティシエが洋菓子食材で制作。全体はセピア色、大丸や銀行など大きなビル、木造瓦葺きの商店、旧国鉄の線路脇の宣伝看板など。元町商店街の鈴蘭灯が見え、三宮神社境内で子どもが遊ぶ。市電が走る。歩道を行く人たちにまじって月光仮面らしき人物がいるなど、遊び心も。

https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202405/0017640600.shtml

 人気店だからお客さんの行列ができる。お商売のジャマにならないように見る。

 娘から「父の日」祝い着。感謝。

6.13 第171回芥川賞直木賞候補作発表。先日紹介した岩井圭也『われは熊楠』が直木賞候補に入っている。

 

 高瀬乃一 『春のとなり』 角川春樹事務所 1600円+税



 妻と義父の仇討話。信濃米坂藩の藩医・長浜宗十郎が殺害され、あらぬ罪をかぶせられる。そこには宗十郎の父・文二郎が発見した鉱脈をめぐって、藩の財政に関わる密謀があった。妻・奈緒と文二郎は藩を去り江戸に出て真相を探る。暮らしのため営む薬屋に病人やけが人が駆け込んできて、何やかやと小さな事件が起きる。皆貧乏だが、強くたくましく、やさしい。惚れ薬を求める芸者が恋する相手として歴史上の人物が登場して、物語の鍵を握る。

 文二郎は目が不自由、脚も痛いが、洞察力にすぐれ、人情に厚く、愛嬌があり女子に好かれる。奈緒は人が良すぎて騙されやすそう。昔の想い人が現れて手がかりに近づくようなのだが……

ヂヂは細かいことが気になる。奈緒は言葉遣い丁寧だが、他人と話しているのに義父のことを「父上さまが~」と言う。「義父(ちち)」と言う時もあるが、敬語の使い方が不安定。時代小説をたくさん出版している版元だから、くれぐれもご用心。時代劇ドラマでも敬語がおかしいことたびたびある。

 先月銀座教文館で購入。

(平野)