2024年6月20日木曜日

神戸はみだし近代歴史めぐり

6.18 大雨。週末ようやく梅雨入りらしい。

 携帯電話操作が覚束ない。家人たちに教えてもらうが、新たな問題が次々。新しいことをコレでやることになるのだろうけれど、ヂヂは困る。

6.20 神戸映画サークルの「映画批評」2024年夏号をいただく。映画ファンではないのに、毎号頂戴して心苦しい。今年は2本見ただけ。

 夜、孫電話。いつもどおりふたりが同時に叫ぶから、聞き取り困難。本日妹は3歳児検診。「なかなかったよ~」。姉は国語辞典で調べたことを読んでくれる。

 

 佐々木孝昌 『神戸はみだし近代歴史めぐり 写真で見るサブカル郷土史』 神戸新聞総合出版センター 2000円+税

 


 著者は「古本四ツ目屋」店主、フリーのラジオディレクター、ライター、音楽・ダンス専門学校講師。本書は神戸新聞夕刊に連載中(第三月曜日)の「四ツ目がとおる~兵庫はみだし近代考」50回分に新資料を加える。日本初のサブカル郷土史本、と宣言する。面白い歴史書き手が現れた。

……誰からも見向きもされず価値も見出されず、学術的研究対象にもならない。そんな歴史の痕跡や事跡に、サブカル的視点でスポットを当てるのが、僕が提唱・命名しているサブカル郷土史だ。(後略)〉

 古本屋さんだからこその貴重な絵はがきや資料を掲載。それらの点検・考察、現地取材・調査も行い、これまでの歴史研究の修正や補完もする。

神戸タワー、湊川神社の大鳥居、福原遊郭、王子動物園それ以前、水族館変遷史、兵庫大仏の弟、神戸の姫路城・キングコング・桃太郎……

メインの歴史「清盛」や「湊川神社」を取り上げても、著者の興味は清盛塚石塔尖端の歴代「相輪」であり、大鳥居(昭和121937年建立、9ヵ月後崩落)の基礎柱石部の行方。

遊郭・赤線、石垣、温泉、戦前銅像、路上名筆……、珍しい遺物、跡地、痕跡に興味を持ち、楽しみ、愛でる。災害や空襲を乗り越えた有名な建築物さえ消えてゆく。著者はそのサブカル愛をもって身近な遺物に価値を見出す。保存に興味・関心をもってほしい、と望む。神は細部に宿る。

私個人的には、旧生田区関連の遺物・資料紹介がありがたい。

(平野)