2025年2月16日日曜日

文士が、好きだーっ!!

2.12 兵庫県朝来市の本屋(古本・新刊)「本は人生のおやつです!!」店主・坂上友紀(さかうえ・ゆき)さん新刊『文士(ぶんし)が、好きだーっ!!』(晶文社)刊行記念トーク、花森書林にて。聞き手は、大阪阿倍野の「古書ますく堂」増田啓子さん。連載から出版への経緯、編集作業の苦労、大好きな文士たちのこと。

 朝日出版社のWebマガジン「あさひてらす」連載に加筆・修正し、書き下ろしも。〈かわいい系文士 ひとりめ井伏鱒二〉、〈かっこいい系文士 芥川龍之介〉、〈ギャップ系文士 堀辰雄〉ら6人をメインにその周辺の文士たちを独自の視線で紹介。

〈「文士」……それは、なんと心ときめく言葉なのでしょうか✩★✩/文士と聞けばもちろんまずは、「物書き」だなと思うでしょうし、あるいは「気難しそう」で「なんか着物」な認識が、漠然ながらもわれらのなかに生じてくるやもしれません。が、その漠然とした「文士のイメージ」に、できればもひとつ、入れ込みタイ!/文士は断然、「かっこいい」!!〉

〈とにかく鱒二はかわいい! 井伏鱒二は、可愛いのだっ!!〉

〈龍之介のどこがかっこいいって、しょうゆ顔系のシュッとした漢字と、整った目鼻立ち、そして和服が似合ういかにも文士然とした佇まい!!〉

 店主の話し言葉に、びっくりした気持ちを表す「!」「!!」「」「」、愛情あふれる表現。キャピキャピの軽い読み物と侮るなかれ。作品やエピソードからそれぞれの性格・人柄や生きざまを熱く語る。註釈や参考文献が充実していて、新たな読書に進むことができる。また、〈やさしい系文士 神西清〉(じんざい・きよし)2章も割いている。他の文士と比べてあまり知られていない人物だが、店主の愛が伝わる。

 でもね、やっぱりヂヂには読みづらい。

 コロナ禍やら、おふたり共店舗移転し、お会いするのは久方ぶり。元気で何より。

 



2.15 図書館にて。「『みなと元町タウンニュース』の連載終わっていたんですね」と言われる。はい、去年4月リニューアルでヂヂイはクビ。

 午後本屋さん。時代小説文庫シリーズベストセラー作家の新刊単行本が文芸棚に見当たらない。今回は現代小説、夜間中学がテーマ。検索機で調べたら児童書コーナーにある。レジで文句言ったら、上からの指示のよう。本部か仕入れ担当か知らないけれど、現場の人は判断できない仕組みらしい。

BIG ISSUE496号、497号。

2.16 10時から 長田区板宿(いたやど)の井戸書店で〈村上しほり講演会〉。昨年末出版の『神戸――戦災と震災』(ちくま新書)の著者。都市史研究者であり神戸市公文書の専門職員。公文書の整理・保存・公開・活用の役割を担う。

「朝日歌壇」より。

〈スーパーの書肆(しょし)の撤退 無くなって初めて分かる大切なもの (観音寺市)篠原俊則〉

〈行きつけの小さな本屋に注文し重版待ちいる歌集『ゆふすげ』 (埼玉県)中里史子〉

〈年ごとに教科書仕入れの数減ると山峡に聞く本屋の嘆き (名古屋市)磯前睦子〉

(平野)