2025年2月20日木曜日

書庫をあるく

2.18 寒さぶり返す。雪チラチラ。

 買い物して本屋さん。人文コーナーに上がったら、何年ぶりかで担当さんとお話。

『みすず 読書アンケート 2024』(みすず書房)、小佐田定雄監修『桂米朝が遺した宝もの』(淡交社)。

 帰ったら図書館から留守電連絡。別の図書館から取り寄せてもらった本到着。受け取りに1階と3階行ったり来たり、年寄りに階段上り下りはきついのよ。

2.19 坂上友紀『文士が、好きだーっ!!』読了。キャピキャピ云々と紹介したけど、語るべきところは力入っていて、✩★マーク消えている。(!)は少しある。


 

■ 南陀楼綾繁 『書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力』 

皓星社 2300円+税

 日本各地の図書館、文学館や資料館の書庫を探検・取材して、「日本の古本屋メールマガジン」に連載中。本書は15館紹介。

《地域の知を育てる》 長野県立図書館、伊那市創造館など公共図書館の郷土資料。

《遺された本を受け継ぐ》 東洋文庫、大宅壮一文庫など専門図書館や個人の蔵書を基にした図書館。

《本を未来へ》 ハンセン病関連施設三館の図書室、新潮社資料室、日本近代文学館。

〈開架の書棚はその図書館のいわばよそ行きの顔であり、本質はむしろ書庫にこそあるのではないか。そう思うようになった。〉

〈最初のうちは館の方の先導に従って、順番に見ていくが、だいたいの構成が判ると、自分が見たい分野の棚へと足を速める。気づいたら、案内者よりも前に立っている。/その館にしかない稀覯本や珍本を見たい一方で、棚の隅っこに差さっているボロボロの単行本や雑誌、パンフレットにもこころ惹かれる。館の方が「なんでそんなものを」と呆れるような本を見つけては、嬉々として写真に撮る。〉

 先人が遺し、戦争・災害を乗り越えてきた本・資料。現代人はそれらを未来につなげていく責任がある。公の力も必要だし、民間・草の根の人たちの努力も欠かせない。

 著者は本好き、本屋好きのライター、「一箱古本市」の創始者、著書多数。ご苦労はおありでしょうが、本書はアリさんが砂糖壺に放り込まれたようなもの。著者の笑顔を想像できる。

(平野)