9.30 近畿はようやく晴れ。「やっと晴れました」が朝の挨拶。関東はまだ雨が続く。
福岡アリスから飲み会の誘い。フランス文学・そう様が六甲道降臨の由。都合つかず欠席返事。
海文堂書店閉店から13年。ヂヂイはあの店に10年と半年勤めただけだ。マンション仕事のほうが長くなった。
10.3 「朝日新聞 オピニオン&フォーラム 耕論」〈「紙の本」生き残るには〉。研究者、ジャーナリスト、製本所経営者が語る。出版社・取次・書店だけではなく、物流を担う業者、製本など関連業種にとっても危機。
プロ野球セントラルリーグ、虎組優勝。終盤少しもたついたけれど、強かった。おめでとうございます。
我らの燕組は出だし成績良かったが、次第に減速。長年の功労者・石川雅規(まさのり)投手引退式典がテレビで放映。せめて勝利で送り出してあげたかった。球界現役最年長、「小さな大投手」、お疲れ様。
10.4 「朝日歌壇」より。
〈図書館に貸出し予約六十人老い方を説く本の人気よ (町田市)村田知子〉
〈震災に残りたる本も本棚も残らず水は攫つてゆきぬ (羽咋市)北野みや子〉
〈かはいいを前面に出し編まれたるクマの親子の写真集見る (相馬市)根岸浩一〉
「朝日俳壇」選者の大串章さんが10月1日急逝。ご冥福を祈ります。
石垣りん 『夜の太鼓 新版』 ちくま文庫 900円+税
詩人のエッセイ集。銀行を定年退職して以降のもの。ひとり暮らしをはじめた。
〈私は一日中アパートの六畳一間で、新聞を読んだり少しばかり物を書いて暮らしているので、夕方になると世間の人に立ちまざる喜びと、運動を兼ねて買物に行く。ひとり暮しに必要な品はごくわずかで、立ち寄る店も限られていて、出費も少ない。〉(「商店の目」)
日常の買い物、行きつけの店やなじみの店ができる。当然通り過ぎるだけの店もある。ある日冷たい言葉を投げられた。その店からすれば自分は「ケチな客」なのだろう。「通りを行く人間は見られているのだ」と思い知らされる。
社会問題、戦争の記憶、家族や友人、飼い猫、詩のこと。日々の暮らしのなかで大きな波が立ち、小さな風に揺られる。
表題作、房総半島日帰り旅で昔聞こえた太鼓の音を思い出す。若き日帰郷、船で東京から伊豆大島を経由して南伊豆に向かう。既に戦争が始まっていて、航路も安全ではない。海上、房総半島から太鼓が響いてくる。トコ、トントン、トン、トコトン。祭だろうか。
〈あの辺りはまだ安心というものがあるのかという驚き。心の底から湧いてくる羨しさと喜びに打たれていました。〉
房総の海辺で、もしかしたらあの夜の太鼓はこのあたりで打っていたのでは、と考える。何十年の時を隔てて太鼓の音が響いてくる。
〈汽船で夜の海を渡って行った若い日の私は、翌朝まちがいなく伊豆に着いたけれど、その先の人生行路には空襲も、飢餓も、病気も待ち構えていたのでした。/胸のあたりで軽く腕を組み、沖の方を見つめていたら、音ともいえない小さな鼓動、心臓の音がトントン、コトコトと手のひらに伝わってきました。〉
(平野)