■ 『書店員の仕事』 NR出版会編・発行 新泉社発売 1900円+税
もうすぐ発売。NR出版会の「新刊重版情報」に7年半連載した〈書店員の仕事〉。59名が店頭から、本屋のこと、読者のこと、本のことを伝える。
《……本書はすぐれた「読書論」の本としても、次代を担う若者に向けた「仕事論」の本としても、その他、読者の想像力次第で多様な読み方ができる一書になったと考えている。(中略)/本書の出版を通して、一般にあまり知られていない書店員という仕事が、どのような人たちの地道な努力によって支えられ、書店という空間が日々維持されているかを多くの方に知っていただけたらと念じている。そして、街の書店がこれまでと変わらず街のなかに存在し続け、現場の方々が生きがいをもって働き、創意工夫を発揮できる場としてあり続けることの一助となることを願ってやまない。》(新泉社・安喜健人「序」より)
長い連載期間中に、引退した人・廃業した人がいるし、新しい道に進んだ人もいる。出版不況、大災害にめげず、今それぞれの場所で本を販売している現役の書店員たちがいる。やっぱり「現役」がエライ!
NR加盟出版社と事務局が書店員に執筆を依頼し、連載を読んだ書店員が感想を書いたり話したり、お客さんや他の出版マンに手渡したり、執筆した書店員に会いに行ったり、などなど「循環」が生まれた。
《……この連載で書店員が投げたボールは一方向で途切れることはありませんでした。その一投で水面は大きく波打ち、あたたかな波は思いを同じくする書店員のもとに届いていたと感じています。書店の現場で真剣に本と向き合い、棚を通して読者と向き合う過程で、孤独に苛まれ忍耐を要するような壁に直面したときに、この連載が同じ方向を向いた同志の言葉として寄り添ってくれたのでは、と思っています。連載を重ねるにつれて書店員の輪が広がっていくのを感じながら、私たちは次の書店員にボールを手渡していきました。》(事務局・天摩くらら「結」より)
(平野)恥ずかしながら私も。「元」ではなく「当時」の表記で。