2018年3月5日月曜日

幸福書房の四十年


 岩楯幸雄 
『幸福書房の四十年 ピカピカの本屋でなくちゃ!』 左右社 1250円+税

 220日、東京代々木上原にある街の本屋さんが店を閉じた。ご家族4人で、正月以外364日、8時から23時まで営業を続けてきた。

 20坪ながら、書籍の売り上げ比率が高いお店。平積みはできないのでお薦めの本は棚に2冊並べる。

〈昔はピカピカしていたなあ。本当にピカピカしていました。魅力がありました。自分で仕入れた本がたくさんあって、自分のお薦めの本は2冊差しをして、今とは比べ物にならないくらい良い本屋でした。(中略)これは自分でいうのもなんですが、この本を読んでください、という無言のメッセージというか、本屋として攻めている感じなんですね。本屋はピカピカじゃないとね。〉

 売り上げを上げて、自分が薦められる本を仕入れる。昔は可能だったことができなくなった。
 
 

付録別刷りの「最後の1日」、お店の人とお客さんのやり取りを読んで、ジンときた。そんな日でも、行きずりの人は道を尋ねに入って来て、店主は普通に教えてあげる。混雑の中、店主はついて行ってあげようとして、奥さんに止められている。近所にお住まいの作家が隣の喫茶店でサイン会をしたそう。真理子エライ!

店主は一旦お休みして、自宅でブックカフェを開業予定。

(平野)私は本屋ガイド本でお名前を知るだけの野次馬。
〈ほんまにWEB〉『ほんまに』第19号予告掲載。
「奥のおじさん」更新。